(旧暦 葉月十二日)

 行ってきました。
 名古屋ボストン美術館の↓に。

http://www.nagoya-boston.or.jp/boston-nippon/

 前期終了ギリギリでした。(;^_^A
 いや〜、もっと早く行こうと思ってたんですけどね〜。何だかんだでギリギリに……。

 良かったですよ。
 絵を描く人って、やっぱ凄いですね。線に命がある、と言うと気障ですが、でも近くでじっくり見ると本当にそう感じます。

 目玉展示品の曽我蕭白筆「雲龍図」も凄かったのですが。

 個人的には長谷川等伯筆「龍虎図屏風」が好きですね。
 一対の屏風、つまり別々の紙面ながら、龍と虎の視線がガチバトルしてますよ。
 元々、「龍虎」というテーマが好きなこともあって、この対決の勝敗が気になります。

馬頭観音菩薩像」も迫力満点でしたね。
 いつも思うことですが、なしてこのおかたが「菩薩」なのか理解できません(笑)。
(マジで語ると、馬頭観音は元々が明王としての憤怒神だったものが、いつの間にか三十三観音の一つとして組み入れられてしまったもの。ゆえに菩薩でありながら明王形となっている。実際、一部には馬頭明王という呼称も存在する。この真逆な存在が明王部におられながら菩薩形を取っておられる孔雀明王ね。こちらも孔雀王母菩薩という別名をお持ち)

 そして隅々まで楽しめたのが「廷内遊楽図屏風」です。
 知識なしに絵からのみ推察するのですが、でっかい邸宅、あるいは遊戯施設でのあれこれを一枚の絵にしている群像です。あっちでは飲み会、こっちでは接待、そっちでは舞いの舞台とそれを見物する客たち、裏ではお運びさんとかが忙しくバタバタと……。
 この絵の凄いと感じたところは、登場人物一人ひとりに、きっちり背景があることです。誰一人として漠然とそこにいるのではなく、何かしらの行動を取っている、あるいは目的がある。
 これが、いいかげんな絵師になると単に頭数を増やしただけの絵になりがちです。作画にあまり時間をかけられない週刊連載漫画の引き絵や背景群像を思い出していただければ、ご理解いただけるかと(余談ですが、映画のエキストラで、こういう漠然とした存在は監督の最も嫌うところのようです。かと言って自己主張しすぎると怒られるでしょうが)。
 妖之佑が徳川の時代を好むため、この絵の風俗にはかなり興味を持ちましたです。サイズではもちろん敵わないものの、図録を買ったから、じっくりチェックしていこう♪

 いわゆる「山水図」のあれこれも、見ていて楽しかった。
 日頃から山暮らしに憧れる身に「こーゆー所に住みたいなー」と思わせてくれます。

 前期終了ギリギリだったため、かなりの混雑で、一部の展示品の前では、愛知万博の冷凍マンモスよろしく「立ち止まらないでください」でしたので、ちゃんと見られなかったものがあるのが残念でした。
 後期は今週末から始まります。早めに行っておこうとは思うのですが……はてさて(汗)。



 にしても、麝香猫って、名前とは違って本当は猫じゃないんだけどねぇ……。
(伝狩野雅楽助筆「松に麝香猫図屏風」を見ての素直な感想♪)