ところで戦局について。
レギルスとの対戦データ(と言うか一方的にフルボッコされた経験値)からだけで同じくファンネル攻撃の使えるガンダムを作り上げる AGEシステムは、考えてみれば EXA-DB より危険かもしれません。敵軍の力を即、自軍の力とできるわけですからね。EXA-DB に収録されている戦闘ノウハウすべて、一度でも接触すれば AGEシステムは取り込める道理になりませんか?
ほら、例の一子相伝の怪しい拳法にも、そういう奥義がありませんでした? 一度でも拳を交わした相手の技は己の技とできる、って。
虎の覆面を被ったプロレスラーの物語にも、ブタの覆面を被ったダメ超人の物語にも、そういうのってありませんでしたっけ?
つまり、AGEシステムの能力って、どちらかと言えば強敵キャラが持つべき反則的な力ですよね。
アセムは「両方の力を均衡させることが戦争をやめさせることになる」と言いました。
ですが、それは開戦前にすべきことです。均衡させることで開戦に踏み切れない構図を作るのです。20世紀の冷戦状態が、まさにそれですよね。
つまり開戦してからやっても手遅れです。
もしもやるなら、それこそ EXA-DB と AGEデバイスの情報すべてを両軍に持たせるくらいですか。
とは言え、それをやれば敵の力を互いに自軍へと取り込み合って、パワー・インフレのスパイラルを起こし、最後には飽和し崩壊するだけです。
まさに、モロボシ・ダンの名台詞「血を吐きながら続ける悲しいマラソン」ですよ。
あれもこれもと欲張って富野ガンダムからパーツばかりパクりまくって。
その結果バラけたストーリの落としどころを、いったいどうするのか。
生暖かく見守ることにしますか。