(旧暦 如月十七日)

 
 『EVANGELION:3.0+1.11 THRICE UPON A TIME』
  キングレコード KIXA 952/3


 著作権がカラーで、映画は東映東宝、配信は尼、円盤はキング。
 TVの頃はタツノコプロガイナックスだったっけ。
 でもって、コミックは角川。
 業界股にかけてますね。
 三十年近くも続いてりゃ、そりゃいろいろあるか。



 コロナ禍のせいで、映画館での鑑賞を諦めたため。
 そしてまた、配信は眼中になかったので。
 ようやくの視聴です。待ったぞ。長かったぞ。

 で。

 判らん。
 旧劇場版より判らん。
 物語は終わってはいるんだけど……判らん。

 こと『エヴァ』に関しては、庵野監督は徹底してますね。視聴者に判らせてなるものか、って姿勢。
 あえて判りにくい方向を選択してる。
 むしろ「理解されたら負け」な、あたかも超絶ハードなゲームを作るような思考回路?

 巷ではこの作品、「最も判りやすい」という評価なんですよね。
 ふむ。オイラの頭が悪いのか。

 視聴したので、これまでずっと避けていた地雷原に突入、考証ブログを渡り歩いたんですけどね。
 まー皆さん凄いです。タロットの展開を感覚でなく理論でリーディングするかの如き、複雑で深い考察。本当に感心します。
 確かに、それぞれ拝読して理屈で納得できる解釈の山山山。

 でもね。
 それらの中に正解って、ないですよね、たぶん。
「シン・エヴァはシリーズで最も判りやすい。これが判らないのは理解力が無い」と言っておられるかたがたは、ただ単に「判った気になってるだけ」だと思いますよ。
 だって、判らないんですから。

 ぶっちゃけ、どうにでも解釈できるよう、曖昧にしてるはずですからね。肝心なトコすべて。
 なので、ご本人が正解だと思うなら、それでいい。
 んですよ、きっと。

 で、オイラは正解に辿りつけないから、「理解できない」組にいるわけ。
 それをバカだと言うなら、どうぞご自由に。

 ここまで長年に渡って風呂敷広げてきてますからね。
 明確な畳みようなんて、ないでしょ。
 なので、SF作品という面から観ると、結末だけは厳しいです。ぶっちゃけ、ありきたり。

 まあ元々、『エヴァ』はSFの皮を被った心象物語ですからね。
 あるいは、SFのふりをした第二次性徴物語と言っていいかも。
 ですから、SF的な理路整然たる結末や種明かしを求めるのは、そもそも筋違いなのかもしれません。
 いや、ズルいと思いますけどね。SFの体を取ってるんだから。

 でもさー。
 旧作だって、公式には何ら納得いく説明などなく、旧劇場版後編のミサトさんの解説台詞だけで済ませてたんですから。
 むしろ、例の有名な考察動画『エヴァわか』のほうが親切丁寧で♪

 年齢重ねて、こじらせ度を重症化してるはずの現在の庵野監督が、素直に判りやすく作るはずないっしょ。
 ま、オイラも少しずつ、繰り返し観つつ、のんびり手前勝手な考証ごっこしようかとは思います。それもまた『エヴァ』の楽しみかたの一つですから。

「終劇」とはあったけど。
 本当に終わりますぅ?(藁
 だって、まだあーんなに棺が並んでるんですからー。(藁々



 いろいろ言いましたけど。
 作画と言い演出と言い。
 楽しめましたよ。
 買って良かったと思います。
 それはもう、まちがいなく。はい。

 にしてもエヴァの機種分類って、紫のヤツ以外、もはや無意味やな。