下弦 (旧暦 文月廿二日)

進撃の巨人』の凄いところは。
 設定が緻密だということに尽きると思います。

 いや、ガジェット等々のことではなく、物語の構成について、ですね。
立体機動装置は物語を進めるための小道具として上手く考えたアイテムだと思いますよ、もちろん)

 作者のかたは、きっと時間をかけてプロットを練りに練ったのだと思います。それこそ、連載できるかどうかすら、まったく判らないうちから構想を隙なく築き上げてきた。街を巨人から守る、あの壁のようにね。
 そしてまた、本編で、その設定を小出しするタイミングが絶妙で。
 だからこそ、読者・視聴者は「謎」に魅了されるのだと思います。推理するのが楽しいのだと思います。
 この作者さんは、どこぞの某SF漫画家とは違い、読者の反応を見たうえで設定をコロコロ変える“後出しジャンケン”などという姑息な方法は使わないでしょうからね。
 とある鉈娘が活躍する一見すると推理物だったはずの物語が見せた超絶オカルト展開のようなこともないと思われるので推理欲が刺激されるのですよ、たぶん。

 凄いものです、本当に。



 巨人化したエレンは、ちっともエレンに似てないけど。
 あの女形巨人の瞳って……誰かに似てるよなぁ?