啓蟄、八專終わり (旧暦 如月十五日、涅槃会)

 こーゆー買い物をしました。

 

 筆ペンの中でも、インク・カートリッジの交換でずっと使える、万年毛筆(万年筆に絡めた造語、でしょうね)と呼ばれる物たちです。

 右から、
 ぺんてる「きらり 藤色」(千円)
 開明「万年毛筆 スタンダード ブルー」(三千円台)
 呉竹「夢銀河 天然木 梨 赤」(二万円台)
 です。

 実のところ、きらりだけは何年も前から年賀状などに使ってまして、そのコスパに感心していたのでした。五百円あたりの筆ペンを使い捨てていくより、ずっといい。書きやすいし。と。
 でもって、ずーっと他のメーカーのも気になってまして、今回、思いきりました。
 はい、阿呆でございます。(;^_^A

 中でも呉竹は期待したのですが……木軸の質が、それほどでもなかったです残念ながら。
 いやまあ、そりゃー、プラチナ万年筆のブライヤーと比べたらあかんのやろけどなー。
 あと、桐箱入り仕様なのですが、この桐箱も何だか安っぽい。これだったら普通の嵩張らないケースにして、その分お値段を下げてほしいかも。
 同じ夢銀河でも樹脂軸のにすればよかったかな? と少し後悔。
 木軸に憧れがあるから、どうしてもね~。

 

 筆先の比較。
 右から、ぺんてる開明、呉竹の順。
 ぶっちゃけ、見ただけでは違いは判りません(つか、微妙にピンボケしとりゃせんかこの写真……?)開明だけ少し細いかな。
 夢銀河とスタンダードはイタチの毛で、きらりの毛先は樹脂です。
 ちなみに、きらりと夢銀河はキャップを尻に挿さなくても書けますが、スタンダードはキャップの長さが加わらないと難しいです。それほどに胴軸がコンパクトで、パイロット万年筆のエリートを思わせるプロポーションです。

 

 インク・カートリッジの比較。
 同じく右から、ぺんてる(空っぽで失礼。使いきったものですから)、開明、呉竹。
 ぺんてるは完全に別形状・別寸法ですが、開明と呉竹は近い。
 と言いますか、最初に筆先保護用に付いていた透明液のカートリッジが開明と呉竹で見た目、まったく同じだったのですよ。
 断定はできませんが、この二つは相互に流用可かもしれません。無論、メーカーさんは「絶対にやめてくれ」と言うでしょうが(苦笑)。

 

 字の比較。
 同じく右から以下同文。
 紙は習字用半紙です。
 下手クソでスミマセン。orz

 写真では判り辛いと思いますが、ぺんてると呉竹が黒で、開明はほんの少しだけ青みがかった黒です。
 ぺんてると呉竹のインクは「顔料」と明記されています。

 

 一度だけでは偏りが出るかもなので、もう一回。

 開明が半紙との摩擦が強く、夢銀河が最も滑らか、きらりは両者の間という感じです。
 毛先のしなやかさでは、スタンダードと夢銀河に比べて、きらりは固いです。イタチと樹脂の違いですね。
 ただ、この固さが便箋やハガキでは腰の強さという印象に変わり、むしろ有利な気がします。実際、きらりを年賀状で使っていて「書きにくい」と感じたことは一度もありません。今回、半紙で書いてみて初めて「あれえ?」と思った次第です。

 意外だったのは開明スタンダードですね。
 アナログ時代の漫画描き(プロアマ問わず)なら誰でも知っている開明墨汁。
 ですから、筆ペンもかなりのものと思っていたのが、ちょっと「んん?」な引っかかりでしたから。ただ、毛先だけでなくインクの性質も関係しているかもなので、断定的なことは言えません。
 このスタンダードは、廉価ということでむしろ洋紙向けなのかもしれませんね。同じ開明でも、もっとお高い物は違うのかもです。持ってないから知らんけど。

 

 三本入り乱れてメチャクチャしてみました。
 何だかんだ言って、どれも細い線、太い線、自在に書けることは書けるんですよ。
 ですから、慣れの要素も大きいと思います。

 あくまでも個人的な印象から申しますと。
 半紙なら、つまり墨と筆の代理役なら、ダントツで夢銀河。
 便箋やハガキ、祝儀袋などなら、きらり。
 スタンダードは小さいので、持ち歩き専用。
 そんな使い分けが、いいのかなあ、と思いました。
 もちろん三本とも万年筆っぽい筆ペンで、クリップも付いているので、携帯できるのです当然。

 コスパだけで言うなら、きらり一択ですね。これは、まちがいない。
 まあ、千円という価格帯ですと、携帯向けでない筆ペンにもカートリッジ式があるので、それらと比較しないと明確な答えは出せない、と思いますけどね。

 三本の価格帯がバラバラ故、比較すること自体、無謀とも言えますが。はひ。
 開明のお高いのも試したいけど……夢銀河で散財しちまったからなー(汗)。