天一天上 (旧暦 長月十四日)

 熱しやすい尻軽ミーハーな性格故。
 気づけば、こーゆーことになる(笑)。

 千円万年筆

 国内三大メーカーの千円万年筆。右から、パイロットの「カクノ」、プラチナの「プレジール」、セーラーの「ふでDEまんねん」。
 セーラーの千円なら「ハイエース ネオ」なのでしょうが、ここはあえて個性を優先しました♪

 千円万年筆

 カクノのペン先。これはEF(極細)です。
 カクノは、ニブに顔があるのが特徴ですね。「顔が見えるように持って」という、子供向けを意識した仕様なのだそうで。
 てっきり中字とか細字とかで顔が違うのだと思っていましたら、そうではなく軸の色で違うようですね。色軸にはスマイル顔とウインク顔とがあって、透明軸のみこのテヘペロなんだそうな。道理で品薄なわけだ透明軸。

 千円万年筆

 プレジールのペン先。選んだのは 03(細字)。
 実は、同社の二百円(三百円)万年筆「プレピー」と首軸から先は同じなんだそうな。違うのは、ガワがプラか金属か、というところ。

 千円万年筆

 そして、ふでDEまんねんのニブ。
 金色ですが、どう考えても価格からしてメッキです。ついでに万年筆に必須のはずのペン・ポイント(ニブの先っちょ、紙に触れる小粒のことね)がありません。その理由は後ほど。

 千円万年筆

 悪筆なのはご容赦を。子供時代、毛筆どころかペン習字でさえ級を貰えなかったのは伊達じゃないぞ。(;^_^A
 左からカクノ、プレジール、ふでDEまんねん。
 カクノの極細に比べて、プレジールの細字は、やや太めかなという印象。まあ個体差があるので、大量買いして試さない限りは何とも言えませんね。
 そして、ふでDEまんねんは別格(笑)。

 千円万年筆

 買って早々、床に落とした!
 というわけでなく。
 最初からこーなっとるんですよ、先っぽが。で、書くときの寝かせ具合で線の太さを自在に変えられる。
 通常のペンと違い、ニブの腹を使って書くのでペン・ポイントは不要ということなんでしょうね。ためにニブが摩耗するせいで、親から子、子から孫への万年筆継承は、これには通じません。まー価格からして消耗品ですが。
 例外は、今は受注停止中の、長刀ふでDEまんねん。まあ、あれは本当に別物ですからねー。

 千円万年筆

 ふでDEまんねんの寝かせ具合を適当に変えてみました。
 一番右側の二重線になってるのは寝かせすぎた結果です。ペン芯が紙に触れてしまうんですね。もう少しペン芯を引っ込めるか、角を落としてくれていれば、こうはならないのですが……千円だから文句を言うのも野暮ですね。

 三本とも、とりあえずは付属のカートリッジ・インクを入れましたが、みんなコンバータが使えます(ただし、プレジールでのコンバータ使用はメーカー非推奨行為)。様々なインクを試したい人には、嬉しい仕様ですね。入れてみた珍品インクが万が一にも地雷・害毒だった場合も、千円なら被害が少なくて済みますし。
 でも、千円だからと、あなどるなかれ。万年筆に道具としての実用性しか求めない人なら、これらで充分だと思いました。凄いものです。
 職場や出先でも、これらを使えば、虎の子の大事なペンを危険にさらすこともなく、たいへんに実用的だと思いますね。大枚はたいたモンブランとかは、見せびらかしたりせず自宅で大切に使え。

 褒めてばかりも何なので、あえて批判的な意見も少し。
 カクノはファンシー文具的な雰囲気が否めません。持つに相応しい最有力候補は、やはりJCやJKでせふ(爆)。大人が服装とのコーディネートを考えて持ち歩くのはいいとして、スーツ着て得意先廻りする人は持参しないほうが無難かと。
 プレジールは見た目にはオーソドックスな姿ですが、とにかく軽い。交渉相手にサインなど求めるときに手渡すと、相手の性格によっては見下されかねません(苦笑)。それと、ご覧のとおり妖之佑はガンメタルを選んだのですが、これが実際には安っぽい(行動半径内の実店舗になかったから、ポチる前に確認できんかったんよ)。ミニマグライトみたいな質感を期待していたのに、短くなった鉛筆を填めて使う廉価ホルダーみたく安っぽいので、そこだけは残念でした。他の色にしたほうが良いだろうと個人的には思います。
 ふでDEまんねんは、毛筆が絶対にダメという人向けだと思われます。毛筆や筆ペンを使える人にとっては、それこそ玩具以上の意味はなさげです。あえて使用目的を考えるなら、墨や筆ペン用インクにない色で筆文字を書きたいとき、かな。なお、長刀ふでDEまんねんは別物なので、まったく話が違ってくるでしょうね。

 カクノやプレジールは軸の色が豊富なので、様々な色のインクを軸色に合わせて使い分けるとかの楽しい遊びができそうです。
 あるいはカクノ透明軸を複数買って、インク戦隊を編成するのもアリかな♪
 値段が安いからこそ、できることですね。