こないだの『美の壺』(Eテレ放送分)は谷啓さん以来、久々に万年筆を取り上げてくれた回だったので楽しく観ました。
谷さん版のときより内容が薄いのは想定の範囲内であり百も承知だったので、まあ満足しましたよ。欲しくなる病が再発してしまいます(苦笑)。
北方謙三さんが「万年筆でないと原稿が書けない。ペンだこに刺激が来ないと言葉が浮かばない」というのは何となく判る気がします。にしても、ご所有の万年筆みんなに名前を付けておられたとは(いや、妖之佑もPCみんなに名前付けてますけど)。
ただ、草刈さんの小芝居部分がね。
あのオチ、万年筆を触ったことのない人間が台本書いたなって、興醒めしちまいました。
万年筆は裏でも書けます。
細字の用意がなくて、それでも細い字を書きたいときの急場しのぎに、裏返して使います。
裏返しても使いやすいように調整されたペン先もあります。
少なくとも、裏返したらインクがまったく出ない、なんて事態はペン先の構造上あり得ません。
プロのモノカキの資質が低下している顕れなんでしょうか。呆れました。あんな台本なら中高生にでも書けますよ。
蕎麦のときも酷かった。あの蕎麦をクチャクチャ噛んでた自称・蕎麦通の(エセ)蕎麦評論家ね。
草刈さん版になってからチラホラ目立つんだよなぁ、こういうスタッフの無知や雑さが原因と思しき不備。草刈さんに罪がないだけに気の毒です。
谷さん版の再放送(もちろん地デジ)を強く希望します。