(旧暦 葉月十一日)

 疑ってかかるのが基本でありお仕事である税関ですら、ご禁制品の見落としが発生するわけで。

 ましてや、性善説でシステムを組んでいる限りトラブルや事故は確実に起こります。
 起こらない理由・根拠が皆目、見当たらない。

 なら、安全対策は性悪説、つまりは「人は面倒くさがりであり段取りを無視する習性を持ったダメな生き物である」という大前提でシステムを構築すべきでしょう。
 段取りを無視すると爆発するとか、段取りを無視すると自分の目玉を抉られるとか、ね(魔笑)。

 お上からの「安全に細心の注意と確認を徹底して」なんて通達に何の意味があるというのか。
 そもそも「徹底して」という言葉そのものが、当事者に対策を丸投げしてますからね。システム構築とは無関係の態度。

 富山の悲劇も似たようなものだと思います。
 要は「まさかウチの子が外に出るなんて」という性善説が原因となった事故です。
 あえてきつい言葉を選びますが。自己責任能力のない子供なんて、ペットや家畜と同じです。で、ペット・家畜は籠やケージや檻に入れるか、鎖や縄で繋ぐでしょ? あれは「ペット・家畜は脱走するものだ」という性悪説の大前提があるからです。なら、幼い子供を持つ保護者の取るべき姿勢は自ずと判ろうというもの。
 あの事故のご遺族は痛いほど思い知っておられるでしょうけどね。だから、ニュースを観ている人が他人事と思わず、「子供は脱走するものだ」と想像力を働かせて戸締まりなどなどの対策を見直すべきでしょう。

 とにかく、まずは性悪説に立つことですよ。
 これが安全対策の超基本だと思います。

 今は、もっと近代的・科学的になっているかもですが。
 その昔、単線の鉄道で使われる「タブレット」という事故防止用品がありました。見た目、ただの“輪っか”です。
 詳しくは、ぐぐってみていただきたいですが。
 単線で列車同士の正面衝突を防止するための物理的アイテムです。このシンプルなブツで、単線上を走る列車たちを管理できるのです。
 ダイヤ状況のコンピュータ管理とか無い時代に、確実に事故防止するための見事な工夫だと思います(タブレットでも輪っかの付いてない小さな物だと、ミスも発生したようですがね……)。

 降車時に最後尾の座席まで確認をしないとか。
 一人ひとり個別にすべき登園カードのチェックを束でまとめてやるとか。
 ついうっかり、ではなく意図的で悪質なルール違反だと思いますよ。
 あれは過失じゃなく犯罪扱いでよくね?
 いや想像で言っちまうけどね。あの園長、反省なんかカケラもしてなくて、当日に休んだ運転者さんのことを逆恨みしてるだけなんじゃないかな。そう思うよ。だから、行政指導からの改善なんて無理無理。