白露、八朔、穂掛け (旧暦 葉月朔日)

 攪拌大王は、料理人の意図する味から離れるばかりだと思う。
 絶対に。

 根拠は。
 完全にムラなく混ぜきったのが完成形なら、混ぜきった状態で出てくるはず。少なくとも自分が店側なら、そうする。
 例えば。魯山人によると納豆は三百回以上練らないといけないそうで。日本料理店で納豆を出すときは、ちゃんとそれだけの回数、厨房でこねてくれてるんだよね。お客にさせたりはしない。
 つまりは、お客の前に出てきた状態で料理は完成している。完成していなくてはならない。
 それにさ、冷めるよ。あったか料理をお客がいつまでも掻き回してたら。