朔、初天神 (旧暦 睦月朔日)

『エピソード9 スカイウォーカーの夜明け』鑑賞を受けて、こいつを引っ張り出してみる。


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 『STAR WARSA NEW HOPE』FXBA-33919
 『STAR WARSTHE EMPIRE STRIKES BACK』FXBA-33920
 『STAR WARS Ⅵ RETURN OF THE JEDI』FXBA-33921
  /20世紀フォックス ホーム エンターテイメント ジャパン


 今は中古品か死蔵品しか手に入らないと思います(妖之佑のも、もちろん中古)。ご覧のとおり、『STAR WARS』旧三部作、エピソード4~6のDVDです。
 この三品で語るべきところは、ただ一点。
 これらは、『エピソード1』の公開に合わせてルーカス氏自らが修正を加えた「特別編」と劇場初公開版との二枚組なのです。そう、例えば『6』のエピローグ、祝勝のお祭りで、霊体となったヨーダ、オビワンと並び、ちゃんと歳を経たアナキンの笑顔が見られるのですよ! もちろん他に、いくつもいくつも元の映像と音声が。
 修正に修正を重ねた特別編の是非について、ここではあえて言及しませんが。
 ただね。好きな人は、いろいろな ver. を観たいのです。たとえ監督が「修正したものだけが正統、他はゴミ」と考えていても、観る側は修正前も観たいんですよ。その気持ちを汲んでくれたのが、この商品。
 ただ、欠点が一つだけ。いえ、特別編は問題ないんですが。
 初公開版のほうにLDやテープ時代のマザーをそのまま使っているらしく。ご存知のとおり、当時のTV画面は 4:3 でした。なのでシネスコ・サイズの作品ソフトは上下にレター・ボックスを従える「目」の形になります。要するに動画ファイルとしては 4:3 。そのマザーを 16:9 向けのDVDに収録したため……お判りでしょう。上下だけでなく左右にもレター・ボックスが入ってしまい、謂わばレターボックスの入れ子状態。何だか凄いことになっちゃってます。「面」の字の上の「T」だけ取った形で横長スクリーンが真ん中にちっこく出てる。小さいです。本当に小さいです(涙)。画面を覆い尽くすはずのスター・デストロイヤーが食玩に見えます。orz
 ルーカス・フィルムとしては「4~6は特別編だけが正しい。修正前の版は黒歴史」という姿勢なんだと思います。なので初公開版を調整するつもりなど皆無なんでしょう。実際、初公開版の現行商品は無いはずです。DVDに入れてくれたことがあるだけでも御の字なんですね。ああ、これノイズも凄いですよ、ええ。(;^_^A
 鑑賞に堪えない品質であっても、資料的価値はあるので現時点で、このDVDの存在は大きいと思います。
 願わくば、ディズニーが初公開版をきちんとBDクォリティでリリースしてくれれば、少しは見直してやってもいいんですけどね。
 この件に関しては、『7』と『9』のJ・J・エイブラムス監督も同じご意見をお持ちのようです。

https://theriver.jp/jj-wants-sw-theatrical-ver/

 心強いですね。
 でも、この記事を読むと“大人の事情”が、かなり大きそうで……。

 ちなみに、一作目『エピソード4』(つーか「無印」って言うほうが、しっくりくるね)と近い時期に公開され話題となったスピルバーグ監督の『未知との遭遇』はと言えば、素晴らしいBDが発売されています。一枚の円盤に劇場初公開版、数年後に公開された特別編、さらに再編集したファイナル・カット版の三つを収録。編集の違いを気軽に楽しめる、まさに客の心をくすぐる憎い逸品なのです♪
 ルーカス・フィルムやディズニーには、この姿勢を見習ってほしいんですけどねぇ。