下弦、祇園祭 (旧暦 閏皐月廿四日)

 ジョージ・A・ロメロ監督と言えば「ゾンビ映画の人」で通じると思いますし、そう呼んでも専門家氏から特に叱られたりしないと思います。
 ハリウッドは吸血鬼や人狼などについて、その本来の姿とかけ離れた今現在の一般的イメージを作ってきたわけですが。ことゾンビのイメージに限っては、ほぼロメロ監督お一人で築き上げたと言ってもいい。第一人者とかってレベルじゃないですよ。

 事あるごとに言ってますが、映画や漫画やアニメやゲームの、つまり我々が思い描くゾンビは完全なる創作物です。本来のブードゥー教のゾンビとは似ても似つかぬ全くの別物です。
 なのに別物のほうが“本物”扱いされるのはロメロ監督の功罪と言えなくもありませんが(苦笑)、しょせんは映画と理解できない層がバカすぎるんですよね。
 とにもかくにも、素材を巧みにアレンジ、エンタテインメントとして作り変える手腕は、やはり一流の証でしょう。そんな 20世紀の文化を担ってきた偉人が、また一人、旅立ってしまったわけです。

 R.I.P.