八十八夜 (旧暦 卯月七日)

 またも車の暴走事故だそうで。
 病院に突っ込んだ惨事って、前にもあったような……。

 先日の『ガッテン』で、いろいろな交通事故について触れていました。
 その中でも、ペダルの踏み間違いについて、たいへんに興味深く視聴しました。
 実際の記録動画を観て、「あー、こりゃ自分でもパニくって同じことするな」と思いましたよ。怖くなりましたよ。
 後方へと急発進。ドスンとぶつかり、そのまま今度は前に急発進して壁にドスン。
 これ、推理するとATのセレクタをRに入れてブレーキを踏んでからゆっくり後退するつもりだったのが、実はアクセルをベタ踏みしたため急発進でバック、ぶつかって慌ててセレクタを1なりDなりにしたもののペダルを踏んだままなので前に急発進、という流れでしょう。本人は終始ブレーキを踏み続けているつもりなので、車が止まることはないわけですね。怖いです。
 無責任な外野は「俺は、あんなバカはやらん」と言うでしょうが。車が言うことを聞かない、車が勝手に走ってる、とパニックに陥ってる人に「ペダルから足を放せ」と言うのは、無理ゲーなのですよ。心身ともに硬直してますから。
 人間はミスをするもの。という観点からすれば、子供でも容易に発進させられるAT車の構造にこそ原因と問題があると業界が認めるべきです。でないと今後も事故は続きますよ。だからこそ、妖之佑はAT車を運転しないと決めているのです。

 番組最後に紹介されたのがナルセ機材さんの「ワンペダル」だったのは、いよっ待ってました! ですね。
 妖之佑があれこれ見た限りでは、このワンペダルが現時点での最善の対策品だと思います。小さな町工場で作っておられるので生産数に限りがあるため、事故対策として本領を発揮できていないのが残念でなりません。これはもっともっと普及してほしい。
 各自動車メーカーは変なプライドや損得勘定など捨てて、ナルセさんにライセンス料を支払って自社でパーツを量産、メーカー・オプション扱いにしてほしいです。
 でないなら、自動車メーカー独自に、まっとうな対策品を開発してもらいたい。
 あ、電子制御はダメですからね。お上と業界に自動ブレーキ義務化の動きがありますが、これはアテになりません。「あくまでも補助的」とメーカー自ら責任回避を宣言してますからね。これって要は「自動ブレーキなんて信用してくれるな」と言ってるも同義でしょ。また、自動ブレーキ車の試乗中の事故でも、運転していたお客やディーラーの人は法的処分を受けてますが、メーカーは一切お咎めなしだったはずです。そんないい加減な代物を義務化したところで問題解決には、ほど遠いです。
 自動車メーカーが、どうしても中小企業のアイデアを認められないと言うなら、それ以上に信頼性のあるペダル構成を業界で開発すべきです。新たなスタンダードとして出すべきです。

 四輪に比べると二輪ってATであっても、この手の急発進事故って起こりにくいですよね。捻る加速と握る&踏む減速の動作が、はっきり違いますから。
 四輪も、加速と減速とで操作の動きを明確に変えるべき段階に来ているのですよ。それをやってこなかったのは自動車メーカーと役所の怠慢。
 事故の加害者ばかりを責めても何の解決にもなりませんって。