『天狗裁き』とか『七度狐』とか大好きでした……。

 米朝師匠のご冥福をお祈り申し上げます。

 優れた噺家さんであると同時に、埋もれた古典落語を発掘・再生するという偉業をなされたかたでもあります。
 個人的な印象では、昭和から平成にかけての噺家さんと言えば。

 江戸の柳家小さん(五代目)
 上方の桂米朝(三代目)

 がガチだったと思います。

 ともに、後継の噺家さんがたには、ぜひぜひ頑張っていただきたいと思います。
 春團治さんは療養中とのことで……この先の高座はさすがに厳しいでしょうか。





 正直申しまして。
 残念なことに、これで上方落語は衰退を免れないと思います。
 何せ、上方落語界の片翼を担うべき某Y興業は、落語を蔑ろにしていますからね。いや、してるでしょ。所属噺家さんの面々を見ても、そして古典落語が満足にできない人物の「文枝」襲名を見ても明らかなように。

 別にTV芸人としての件の人物を否定するつもりは、まったくありません。
 が、古典落語は大衆芸能であると同時に、平成の世においては伝統芸能の意味も大きい。ですから、芸の伝承は大切なことであり、伝統ある名跡も重要視されるべきものです。古典落語をロクにできない人物が「文枝」を名乗るなど、低俗なギャグにすらなりません。

 桂文枝(五代目)さんも、露の五郎(二代目)さんも今は亡く。
 米朝師匠ほどの牽引力・影響力のある噺家さんが、はたしてこれから出てきてくれるのかどうか……(不在のままだと、目先の銭を拾うしか能のない芸能事務所の思うがままに腐敗していくのは、おそらく避けられません)。

 上方落語には、伝統を絶やさずに生き残っていただきたいと思うのであります。