(旧暦 如月十七日、二の午)

 けっきょく、悟は八代をも助けたということになりますか。
 何せ、計画していた児童連続殺人がすべて未然に阻止されたうえに、悟に対する水没殺人未遂は時効。つまり病院での件のみですからね、八代の犯した犯罪は。下される刑罰、さほど重いものにはならないと思います。場合によっては精神疾患を理由に無罪にだってなりうる。西園としての地位と名誉はすべて失うでしょうが、一人も手に掛けていない事実は大きい。まー、私は悟みたく菩薩のごとき心境にはなれませんが……。
 にしても「踏み込む」って、容易にできることじゃないんですよね。
 みんな死なずに元気で、悟自身も売れっ子漫画家、しかもアニメ化ですと(笑)。西園に媚び売ってて、悟を警察に売った店長は、この世界線じゃ必死の形相でピザ配達してるし(爆)。できすぎやん。
 頑張った悟へのご褒美が多すぎるとは思いますが、それでも最後の最後にアイリが出てきて、ほっとしました。





 生徒会長は超法規的措置で海外へ。
 二期があるそうですから、また何かやらかすのかな生徒会長。
パトレイバー』の上からの圧力というシンプルな構図と違って、各省庁間の引っ張り合いのせいで第八が動けないという立体的な描写は面白かったですね。やっぱり監督は『パトレイバー』を叩きたかったんだな(笑)。





 何つーか。
 帽子のやってることは、まちがいなくテロなんだけど。
 でも、カネと従業員の命を平然と天秤に掛ける製薬会社社長のツラ見てると、隣のタワービルが倒れたときに「ザマァ♪」と思ってしまうんだよね。
 口惜しいが、作者の手のひらで踊らされてますなー。





 みよ吉ってのがね、評価の分かれるところだと思いますよ。「可愛い女」というのと「失せろっ、ゲスが!」というのとね。
 少なくとも、噺家の嫁に一番向かない人であったことは、まちがいないと思います。その意味で、みよ吉は二人のどちらにも本気になるべきではなかった。いやまあ、惚れちまったらどうにもならねえ、ってもんではありますが。
 自分だけを見ててほしい、ってんなら、そこらの工場か事務所にでも通ってる生真面目な男を捕まえりゃ、よかったんだよ。とは言え、そんな男が芸者遊びするはずもないか。なら、寄席に出入りする中から羽振りのそこそこ良さそうな、ついでに人も良さそうな男やもめでもよかったんだよ。とにかく噺家以外に候補なんていくらでもあったろうに、なんでよりにもよって落語馬鹿の二人にしちまったかね。
 それにしても信さん、あの境遇で『芝浜』をやるとは、驚きました。