一粒万倍日 (旧暦 睦月廿二日)

 蔵王権現
 三宝荒神
 青面金剛

 この三柱の区別が、素人の自分には難しくて困ります。(;^_^A
 お三方とも明王部かと思えるほどの忿怒の形相ですし腕も多いですし。

 でも、お三方とも明王部ではない。
 それどころか、そもそも純粋な佛教の神ではない。

 蔵王権現は、中ではもっとも由来がはっきりしている神様ですね。
 あの役小角が山ごもりの末に見出した、自分自身の守護尊です。
 つまりは、修験道の御本尊。
 よって、修験道系の寺院に祀られています。

 三宝荒神も、修験道系と言えなくもない。
三宝」とは仏法僧のことで、仏法僧を守護するから三宝荒神の名を持つ。
 これだけですと佛教系と思えますが、そもそも経典にその名がありません。
 いつどこでその存在を現したのか、はっきりしていない神様です。
 たぶん、神佛習合ならぬ修験道と佛教との習合だと思われます。
 が、とにかく由来が明らかでない。日本発祥なのは確かなようですが。

 青面金剛は、実は道教系らしい。
 なので発祥は中国。
 それが日本に伝わって、庚申信仰と合わさって、今の形になった。
 よって、今では庚申待ちの御本尊です。

 外見的にホント似ておられるんだわ。
 厳ついお顔だし、青いし、六臂だし。

 蔵王権現はお顔が一つ。
 三宝荒神青面金剛は三面。

 三宝荒神青面金剛は立ち姿にせよ座像にせよ、どっしり構えておられる。
 対して蔵王権現だけは、大見得を切った片足立ちの姿勢。

 とは言え、絶対ではないですからね、たぶん。
 いきなり一つだけ見せられて「当てろ」と言われたら、やっぱり困ります。
 案外と、ごちゃ混ぜになって作られた像や絵とかあるかもしれませんし。

 さらにややこしくするのが、荒神さんの存在です。
 一般的には荒神さんと言えば竈神のこと。つまりは台所を守る火防の神様。
 この竈神としての荒神三宝荒神とが一緒くたにされてしまった実例もあるそうで。

 同じく。
 青面金剛は、庚申講の御本尊という理由から庚申塚ともども屋外に石像が祀られる例もある。
 庚申堂の正面玄関ならともかく、道端に立ってたりするともはや道祖神と区別がつきません。
 街道筋にある地蔵も、本来の地蔵菩薩ではなく実質的な道祖神である、とする説があります。だから笠地蔵とか笑い地蔵とか、化け地蔵系の民話があるワケね。
 そんな路傍の石地蔵と同じ、と解釈できる青面金剛も存在する。

 要するに。
 よく判らないのです。