(旧暦 水無月七日)

 よく勘違い、誤解している人がいるのですが。
 題目つまり「南無妙法蓮華経」は日蓮が考案したものでも、日蓮宗の呪文でもありません。

 妙法蓮華経法華経)は聖徳太子も重要視した経典であり、題目の力については平安時代には書き記されていました(『今昔物語集』『日本霊異記』など)。そして、日蓮はと言えば、鎌倉時代の人。
 最澄天台宗では法華経を根本経典としており、その法華経を崇める言葉が題目です。だから「ナム妙法蓮華経」(ただし、題目そのものを崇めるわけではない。ここが、題目を本尊とする日蓮宗との違い)。
 天台宗の総本山である比叡山で修行した日蓮は下山してからも、それに倣ったわけです。

 日蓮宗が崇めるのは題目をベースに、派手にデザインされた大曼荼羅ですね。
「急々如律令」の護符と同レベルで見栄えがします。