八せん終わり、三隣亡 (旧暦 卯月廿二日)

 トランプ大統領が大相撲を観戦したい、というのは何も不思議なことではなく。海外の V.I.P. が大相撲観戦に国技館を訪れるのは、よくあることです。むしろ、どんどん来て観て知っていただきたい。
 ただ。座すべき枡席に椅子を並べる光景は異常という以外の表現が見つかりません。あれは例えば、茶室に土足であがって、持ち込んだ椅子に座るのと同レベルの失礼極まりない行為です。日本文化に興味のある人物の行動ではなく、珍しいものを上から目線で見物するときのそれです。
 大統領を護衛すべく周囲をSSが取り囲むのは当然のことですが、そのために大量の枡席を無駄にするとか観客に不便を強いるとかは愚行です。ま、協会がやったというよりは、内閣から強硬な要請が協会へ行ったんでしょうね。安倍なら、このくらいの愚行、無自覚に平気な顔でやるでしょ。何せバカだから。
 国技館に貴賓席があるのは何のためなのか、安倍は理解していないらしい。理解する知能もないのでしょうが、日本人なのに枡席に椅子で座るなんて、トランプ氏とは比較にならないほど業が深いですよ。日本人の恥さらし総理が!
 トランプ氏が「間近に観戦したい」と言うなら、警備上の不備を理由に断ればいい。せめて、「枡席では座布団に尻を置くもの」という観客側が守るマナーを理解してもらうべき。それも含めての日本文化でしょ。
 そもそも大統領に土俵の遠くで相撲観戦してもらうことは失礼でも何でもありません。高級な劇場にあるロイヤル・ボックスなんて偉い人しか入れないわけですし(て言うか、そもそも国技館の貴賓席はロイヤル・ボックスを真似たものだろ)、そのためにオペラ・グラスというセレブなアイテムも誕生したわけですし。
 貴賓席でオペラ・グラスを使ってもらったほうが、成り上がり者のトランプ氏に貴族気分を味わってもらえたんじゃないのかな。

 国技という日本文化を守るための公益財団法人であるなら、きちんと筋を通してほしかったですね。心配なら、内閣側の恫喝的かもしれない要求を録音しとけばいい。世論を味方に付ければ無敵でしょうに。
 今回の件で、トランプが下品な成金であることが、さらに確定したと思います。同時に、安倍のバカさかげんも、さらに周知されたかと。

 なお。
 座布団を投げるのは、トランプ氏訪問のあるなしに関わらず、NGな行為ですからね。
 場内放送でも「座布団を投げないでください」って、いつも言ってるっしょ。そこは「せっかくの千秋楽で座布団を投げられない」とした各記事こそがバカ丸出しでしたね。情けない。