節分 (旧暦 睦月七日、七草)

 今年で見ると、節分は旧暦睦月の七日になってますね。
 というように毎年、節分と立春は旧暦では年末年始のタイミングに来ます。お正月を「初春」だの「新春」だのと言うのは、これが理由です。新年と同時に立春、つまり新しい春が来るのです。お店にもよるでしょうが、和菓子も一月からは春のデザインになりますね。
 よって節分とは年越し行事の一つであったと言えます。
 商家が大晦日に、店から貧乏神を追い出す儀式をやったり。宮中での追儺が、やはり大晦日の儀式だったり。年越しを区切りに、家の中に居ついている“招かれざる客”たちを外に出すわけですね。節分とは、すなわち節目、区切りのこと。
 追儺の主役である方相氏が宮中に巣くっている鬼たちを追い払った。なのに、その異形の外見ゆえに後世、主役から悪役へと気の毒なキャスティング変更をされてしまう。それが今の鬼に豆をぶつける民俗習慣の元となった。
 というのは以前にも、お話ししました(本来の方相氏の活躍と姿については、平安神宮の「大儺之儀」を調べてみてくださいな)。
 つまり、鬼を追い払う豆は年末に撒いた、ということですね。

 そして。
 昔の日本人は、年越しと同時に一つ歳を取った。「数え年」というやつですね(今でも、厄年は数え年で計算する)。
 つまり、節分→立春の切り替わりは年越しであると同時に歳取りの時期でもあったわけです。誕生日と言うには少し違いますが、「また一年を過ごすことができた」という区切りと感謝の意味では誕生日を兼ねていたとも言えるでしょう。

 以上、節分に寄せての駄文でございました。