啓蟄 (旧暦 睦月廿七日)

パシフィック・リム

 日本人俳優の日本語吹き替えは、ご本人にやってほしかったな。



 例によって(笑)、地上波に降りてきたので。


 恐竜時代から地球が狙われていたと言いますが。
 一億年以上(地球時間換算)もの間、政策あるいは戦略を変えずにいるって、連中どんだけ長いスパンで生きてるんですか? 意識してなくても変わるだろフツー。
 これをやるなら、地球と比較して奴らの世界では時間の流れがメチャクチャ遅い、と設定しないと無理があります。こっちで一億年でも向こうでは数年、それなら連中の侵略計画に変更がなくても不思議じゃない。
 で、そうなると、向こう側に行って核爆発させて帰ってくると、例のあのSF現象がパイロットの身に起こるのです。
 そう。イェーガーで特攻してソッコー戻ってきたら、すでに地球では数十年〜数世紀経っていて、歴史的英雄の帰還を皆で迎えてくれるということになるのだよ。つまり「オカエリナサイ」だね♪
 どのみち各パーツ群が明らかに日本の特撮やアニメから堂々拝借しているのだから、いっそのこと、そこまで突き進んでも良かったんじゃね?

 アニメで観ると違和感なかったけど。
 細密な実写(風なCG)で観ると、巨大ロボでプロレスってのは現実味が薄いですね。一回すっ転んだだけで部品が飛び散るだろ、あんなの。と、いちいち思ってしまう。
 グーで殴るのも現実感皆無だわー。ロボットの場合、手は物を掴むマニピュレータだし、足は歩行に欠かせないセンサーを裏に備えてるはずだし、ともに精密機械なのに、それで殴る蹴るが、ありえない。つか、メカ描写をリアルにしたせいで、ロボット兵器を二足歩行させる設定上の意味が消え去ってしまっているのだよ。
 これが昭和の特撮クォリティだったら、そこまで感じないんですよね。『ジャイアントロボ』や『レッドバロン』などなど、デザインと造形が大雑把なおかげで画面からパーツの飛び散りが想像できずにすむ(笑)。

 加えて、イェーガーの「ロケットパンチ」(原文「Elbow Rocket」)ね。あんなのやったら肘関節か肩関節が持ってかれちまいますよ。パンチにロケット・エンジンを組み合わせるんだったら、GR2やマジンガーZみたく肘から外れるようにしないと。リアルな絵にするなら、パンチの回収は錨みたくチェーンでガラガラとやればいい。
 思えば『ボトムズ』のATは良くできてましたね。あの薬莢を使ったアーム・パンチ。これと、同じく高橋監督の『レイズナー』にあったナックル・ショットを組み合わせれば、指を痛めずに敵を殴れるのでOKでしょう(個人的には、アーム・パンチよりもパイル・バンカーのほうがベターだと思いますが)。あと、ローラー・ダッシュも、ロボを走らせるためには欠かせません♪
 巷で笑い物になっているガンダムハンマー(ハイパーハンマーを含む)だって、実はかなり現実的な鈍器だと思うのですよ。

 誤解してほしくないのですが。
 巨大ロボ vs 怪獣のボコり合いは大好きなのですよ。ただ、最新の映像技術でやる場合は、どうしてもリアリティとのバランス問題が出てくる。
 現代の最新クォリティな実写作品にて二足歩行巨大ロボにプロレスさせるなら、このあたりは今後の課題かもしれませんね。


 ところで。
 向こうの世界に行くには特別な“切符”が必要なのに、脱出ポッドで帰還するのには切符は不要なんですかね?
「割れ目」を通過する際にセンサーに引っかかると解釈していたので、最後がポカーンでした。詰めが甘い気がします。