百鬼夜行

 熊本の穴川夜神楽という祭事が興味深いです。

 主役は恐ろしい姿をした鬼神で、その鬼神が長刀のごとくに凶暴に振り回す御幣を参拝客らが隙を見て奪い取るというもの。
 鬼神から人々が奪った御幣はお守りになるのだそうで。

 つまり、この鬼神は恐ろしい存在であると同時に福を授けてくれる存在でもあるわけです。

 祭を執り行う神社の名前が穴川菅原神社というので、鬼神は天満大自在天つまり菅原道真がお姿を現したものなのかもしれません。京の都を襲った当時の怒れる天神、ですね。
 連綿と祀られるのはいいでしょうけど、その扱いが令和の今でも怖い怖い天神さん(鬼)のままというのは、道真さんも苦笑しておられるかもですね。