甲子 (旧暦 弥生十九日)

 前編で、すでに感じていたのですが、後編まで観てからと思い黙っていました。

 で、後編も観ての感想。

 乱暴で稚拙な脚本でした。
 これって『ウィザード』中でも最低のエピソードじゃないですか?
 乱暴すぎて、御大の筆かと思ったじゃありませんか(爆)。

 まず。
 ソラの提案したゲートの探しかたがね。
 あれのどこが効率的なんだか。
 つか、あんな方法で一度に六人もゲートが見つかるなら、フツーにメドゥーサを人混みの中に立たせたほうがいいと思います。
(前もって「カネに目がくらみやすい人はゲート率が高い」などの伏線でも張られてあればソラの方法は有効なのだが、もちろん、そんな伏線は今までカケラもなかった)

 次に。
 一日百万円という超高額報酬を餌に人を集めた、その経済的バックは何?
 これにまったく触れられていないのも、あまりにも乱暴です。
 舞台として使ったビルのことも考えて、どう少なく見ても一千万円単位で浪費してますからね。
 ボギー・ファントムの元となった人が超大金持ちとか、あの会社のオーナーだったとかの説明が一つあるだけで違うのに……ねぇ。

 そして、これは言葉の選択によるものですが。
「ボギーは死んでからが本番」というソラの台詞。
 そも、ファントムの「死」という定義がはっきりしないまま、こーゆー言いかたしてはあかんですよ。つか、死者が活動するのは『ライダー』でも、さすがにまずいと思う。『ヤマト』や『ガンダム』じゃないんだから(笑)。
 ここは「肉体を失ってからが本番」とすべきでしたね。元々がボギーの本体は肉体にはない、となれば辻褄は合います。
 とは言え「死んでからが本番」というバケモノに蹴りなどの物理攻撃が効く時点で矛盾だらけですがね。
 運命をコントロールできる能力というのも凄すぎますね。これ、ゲートを絶望させることよりも指輪の魔法使い相手の戦闘に集中すれば勝てたんじゃありませんか? まあ、はっきり言ってこれはチート性能なのでストーリを破綻させてますが……。

 ついでに。
 これは仁藤が決めることなので外野がとやかく言うことでもないのですが。
 カネのあるなしであんなに簡単に考えをコロコロ変える野郎は信用できません。友人とするに最低の相手ですよ。
 視聴者も同情する気、わかないんじゃないかな〜。

 もう一つ。
 安っぽいギャグ演出は不要だと思います。
 今回は特に、くどすぎましたね。



 こんな乱雑な脚本でもプロの仕事として認められて報酬も出るわけですか。
 いいですなー。