(旧暦 弥生六日)

 しっかし……。
 あいつ、あんな瞳してて、よく今まで捕まらなかったもんだ。
 あれって、デシルなど一部のヴェイガン人に見られる身体的特徴だよね?



 フリット編にて役目を終えたキャラを、それも年老いた状態で引っ張り出す目的が他にあるはずもなく。(−人−)

 ただ、あんな形になるとは思いませんでしたね。
 つか、あいつが復讐に来るとしても、あんな雑魚キャラとして動き、そして終わるとは……。
 黒服連中は、おそらく前回のチョビ髭メガネと同じ組織でしょう。

 しかし。
 そもそもグルーデックの位置が判らず仕舞いでした。

 フリット編では、貧弱な情報から読み取って、UEのアジトと正体を突き止めた。それが、グルーデックが優秀な士官だということでもあったと思うのです。
 ただし、UEが火星棄民だったことを連邦上層部はすでに知っていたはず。となると、ディーヴァの行った作戦が、実は連邦上層部としては迷惑な行為だった可能性も……?

 軍刑務所から出所するシーンを見る限り、グルーデックの行動は一般軍人の間では評価されているようです。
 そして、軍法会議でグルーデックの自白を丸々受け入れて彼のみを処罰したのも、グルーデックの望みを叶えたと同義でしょう。
 普通ならディーヴァ・クルーにお咎め一切なし、なんてありえません。て言うか、あれだけ大変な作戦を成功させたのです。意思の団結があったこと、軍法会議は当然に理解できてますよ。
 つまり、軍法会議はグルーデックに対し、かなり好意的だった。

 だとするとね。
 収監は建前にして、グルーデックには裏で何かしら仕事を与えてもよかったと思うのですよ。ヴェイガンとの戦争で役に立つ男だと評価したのですから。

 それをせず使い捨て。暗殺されるがままに放置。
 うーん。この暗殺の黒幕は、連邦内にいる裏切り者と言うよりも、連邦上層部の真意そのものかもしれませんね。いや、ヴェイガン側ではないと思いますよ、黒幕。
 フリットも司令ではあっても、連邦のそこまでトップ・クラスというわけでもないでしょうから……この先、命も危ないかもなぁ。

 て言うかフリットは、グルーデックからの情報提供申し出を受けた時点で、彼の護衛を手配するくらいほしかったです。
 元MSレーサーなパイロットにすぎないウルフに、ルパン三世ばりの危険な潜入をさせるくらいなんですから、人員くらい何とかなったでしょうに。

 それにしても、最期にデータを削除(フリットに「すまん」と言ったのですから、あれは削除でしょう)した意味も少し判りません。
 フリット以外の手に渡るのは、まずかったということでしょうが。
 あえて考えるなら。
 連邦内部の裏切り者がデータを見たら、自分周辺の証拠抹消に動く可能性がある?
 同じく、裏切り者にデータが判ったら、軍刑務所で情報提供してくれた人が危険になる?
 といったあたりですかね。

 復讐鬼が、あんなチンピラ風な姿でウロウロしてたり。
 ヴェイガンが大量にMSを持ち込んでたり。
 あるいは、そもそもゼハートがシレッと転校してきたこともあり。
 ヴェイガンは、かなり前から、かなりの規模で連邦社会に潜入していると見るべきでしょう。
 となれば、全面戦争は囮で、実は内部からの政権確保を目指すのが利口なやりかただと思われます。偉大なるイゼルカント様も、きっとそうお考えなのでしょう。
 もしそうなら、ゼハート司令って、でっかい噛ませ犬ってことになりますね。


 え?
 マジシャンズ8?
 なにそれ?
 雑魚の名なんて、いちいち憶えてられません。
(あれ、シュラク隊よりも脆いと思うぞ)