(旧暦 文月十二日)

『ハンチョウ』がらみの無駄話が、しつこく続きます(笑)。



 第一話で、立ち食いそば屋に入り、そばを頼まず、単品で具とビールばかり注文、延々と数時間を呑み続けた大槻。
 これ、かなり通な呑みかたですよね。
 そば屋で、そばを頼まないのが通。通は、そば屋で台抜きを肴に呑む。そばなんて喰わない。と。
 ああ、「台抜き」ってのは、そばから台(麺)を抜いたもの、つまりツユと具だけの品を指します(丼物でも、そう言うらしい)。
 まー、ひねくれた理屈のような気もしますがね。妖之佑は下戸なので、正解とも不正解とも判りません。

 実のところ、かつて『タモリ倶楽部』でも似たような主張がありました。
 番組の曰く。
 呑み屋で呑むのは素人。通はラーメン屋で、ラーメンを頼まず、具だけで延々と呑み続けるものだ。
 と。
 叉焼やメンマをアテに呑むわけですが、そんなのすぐに種類が終わってしまう。と、厨房に勝手に入り、あり合わせでアテを作って、さらに呑み続ける。
 いいのか、それで? と思いました。店主と仲良しの常連が、他の客のいない閑散とした時間帯でなら許されるでしょうけど……ねぇ?

 ともかくも。
 通は酒場で呑んではいけないようです。

 そんな『タモリ倶楽部』で、もっとも通な呑みかたとされたのが、角打ち。
 公園前派出所の両さんも、やってた角打ち。
 アテに頼るうちは、まだまだ真の通には遠いそうです。
 酒だけでは物足りないなら、塩で呑む。それで充分なのだとか(体に悪そうだー)。

 星一徹さんが、そうでした。
 息子の飛雄馬がプロ入りするまではと禁酒して(酒瓶を叩き割って宣言したもんなー)。
 念願叶ってジャイアンツ入団が決定したとき、長屋の仲間からの樽の差し入れを受け。
 明子さんに「塩を」と言って、皆が不思議がる中、酒を満たした枡の角に塩を持って「これで一気にグイッとやると旨いんだ」。長屋の連中が「さすが」と感心してた。
 けっきょく、巨人に入団しただけでは何も達成していないと、呑むのをやめましたけどね、一徹さん。



 うーん。
 いろいろ味の濃い具があれば。
 やっぱり白いごはんですよね、五郎さん♪