ウィルバー・ライトとオーヴィル・ライトは世界初の有人動力飛行を成功させた。つまり、航空パイロットの元祖。
というのは教科書にも書かれていますし、勉強嫌いな人でも知っていますよね。
ところがぎっちょん。
ライト兄弟の二年前にドイツのグスターヴ・ホワイトヘッドが飛行を成功させているという説があります。
また、ブラジルのサントス・デュモンこそが最初だとする説もあります。
アメリカ人は絶対に認めないでしょうが、実のところライト兄弟の「世界初」という冠は怪しいものです。
一般に、電話の発明者と言えば、ベル。スコットランドのグラハム・ベルの名が出ます。
ところがぎっちょん。
電話の装置を開発し特許を取得したのはイタリアのアントニオ・メウッチであることが判っています。ただ、気の毒なことにメウッチは経済的理由で特許の更新ができず、切れたところをベルにかっさらわれた。というのが真相のようです。
ついでに言うと。電話機の原理については、かの発明王エジソンも権利を主張しており、本当に電話を開発したのが誰かは、かなりグレーなのが実情。
生命の自然淘汰・進化を述べた『進化論』。と言えば当然、イングランドのチャールズ・ダーウィンの名が挙がるわけですが。
実のところ、ダーウィンと同時期に、ウェールズのラッセル・ウォレスが、ほぼ同じ研究をしていた。と言うか、ダーウィンより優れた研究成果をあげていた。でまあ、間に入る人もあって両者に交流が生まれ、最終的には共同研究という形で論文の発表となったようです。なぜ、それがダーウィンのみの著作・功績となったのかは、いろいろあったようですが、進化論の真の功労者はウォレスである、というのが本当のようですね。
ただ、ダーウィンとウォレスの関係は生涯に渡り良好であったそうなので、外野には預かり知れない複雑な事情が二人にはあったのでありましょう。
発明王でありGE創業者であるトーマス・エジソン。
実のところ、彼がゼロから発明した品は、たいして数がないのかもしれません。ぶっちゃけ、他者の発明を改良して自分の発明としたり、もっと酷いのは露骨な盗作もあったらしい。ちなみに、電球についてはエジソン本人が自分の発明ではないと言っていたそうですね。自分が考えたのは竹製の素子だけだと。
どこかで聞いた噂話ですが。エジソンはGEの社長として、あちこちの無名な発明家や研究者に手当たり次第、声をかけていたようで。共同開発しませんか? と誘っては最終的にGEのものにしてしまう……。これが本当なら、たいしたビジネスマンです。
かつて「八木式アンテナ」として知られた電波アンテナ。よく知られているのは屋根の上に立てるTV用アンテナですね。地デジの今は魚の骨みたいな、地アナ時代なら梯子の出来損ないみたいなアレです。
近年になり「八木・宇田アンテナ」と呼称が変わってきたのには明確な理由があります。まあ、↑の文章をお読みなら察しもつくでしょ(笑)。
当時、教授だった八木のもとで新たなアンテナを発明した宇田講師。宇田としては八木との共同研究という意識だったようです。が、弟子? 後輩? に無断で八木が自分の単独名義で特許を取ってしまった、というのが真相だそうな。ついでに八木は、この特許を元に「八木アンテナ(株)」を起業してしまう。
この事実が世間に知れたことにより、八木の不誠実な態度への批判が上がると同時に、宇田への評価が急上昇。で、「八木・宇田アンテナ」の改称へと至ります。本当なら「宇田アンテナ」とすべきなんですけどね。公式に特許を取ったのが八木という経緯があるから仕方ない。
まあ古今東西、世の中なんてこんなものなんでしょうね。
でも、あまりやりすぎると歴史になってから叩かれるのですから、安い功名心で人の道から外れることは、子々孫々に迷惑を及ぼすかもしれませんよ。