三隣亡 (旧暦 卯月十七日)

 今回の元主を慕う式たち。
 なんとなく心情的に、ひしがきに似てるなと思いました。夏目が最初に名前を返した妖怪ね。

 名取さんが不穏な表情と動きを……。
 額面どおり、夏目のためとも考えられますし。
 あるいは、そのついでに、お仕事に利用する可能性もありますし。

 とは言え、夏目に「言わなくていい」と言っときながらの式に探らせるというのは、夏目に対する不義理ですね。
 これだから祓い屋は信用ならん、とニャンコ先生なら言いそうです。

 どうにかなる前に、サッサと名前を返しきればいいのですが。
 夏目の体力的に、返すペースには限度がある。
 ついでに、名前すべてを返すと先生が怒る(爆)。
 かと言って、いつまでも現状維持はリスクが高すぎる。名取さんはともかく、的場にバレたら、えらいことですから。
 レイコさんも面倒な物を遺してくれたものです。気の良い犬の会だけでなく、レイコさんが遊んだ相手に邪悪なものがいなかっただけに、受け継いだ夏目の責任も重大ですからねぇ。





 ライナーが何か、やばくないか?
 心が壊れてるみたいな。

 サラッと日常会話的雑談風に、とんでもない情報開示してくれやがりました。
 ライナーが鎧の巨人でベルトルトが超大型巨人って……エレンの言うようにライナーが壊れてて妄想にかられてるかと思いきや、二人ともあっさり変身しやがった。

「12時間前」のシーンから判るように、前期の女型捕獲作戦には、かなりの伏線および裏の作戦が隠されていたわけですね。
 例えば「誤った作戦企画書」ってハンジさんが言ってたあれも、実際のところはエルヴィン団長の仕込みに違いありません。あれで容疑者リストを大幅に絞り込める、という目論見でしょ。
 経過の含み持つ意味に気づいたアルミンも、たいしたものです。将来の作戦参謀最有力候補でしょう。
 団長も凄いが、とにかく作者さんが凄すぎる。

 二人を友だちと思ってきたエレンには、きついよなぁ。何せ、あの巨人二体は(直接ではないものの)母親の仇だから。
 比べるとミカサはブレませんね。会話の様子を見るあの目つきを含めて、ガチで二人を殺しにかかった♪ ほら、ベルトルトの喉を斬ったよな。巨人化能力者でなければ即死レベルだろあれ。

 鎧がエレンを、超大型がユミルを攫ったことで、ライナーがエレンを誘ったこと自体は、精神錯乱ゆえの発言ではなくスパイ連中の作戦に含まれていると言えそうですね。女型もエレンの拉致を試みたわけですし。
 であれば、これもライナーがサラッと言いやがった人類殲滅という目的も本当のことなのでしょう。少なくともライナーたちは、そう上から聞かされていることになる。
 上とは、たぶんあの獣の巨人が関わる勢力で、おそらくは軍隊的な組織でしょう。士官が変身する巨人で、兵隊が通常の巨人たち。しかも兵隊役の巨人は人さえいれば、どこでも量産できるようで(壁に穴がなかったことと、コニーの村を思い出せ)。人類を滅ぼす兵器として人類を使い捨てる。実に効率的です。
 まあ、人類を滅ぼすったって、滅ぼす側のトップは生き残る気満々でしょうから、正確に言うなら「敵人類を滅ぼす」ということだと思われます。ライナーの独白から推測しても、上がライナーたちに嘘の情報を与えていたと判りますから。曰く「壁内に閉じ籠もった人類は血も涙もない邪悪な連中で、この地球を滅ぼしかねない危険な存在である」といったあたりかなと。
 これで壁内を殲滅したあとに自分たちも全員自決して人類を完全に消し去るってんなら少し見直してやるけどな。まー、ありえんやろ。

 正体を明かされてみれば、鎧も超大型も変身前の姿と似てるんですよね。女型もそうだったし、エレンも遠からず。
 なんでユミルだけ違うんだろ? それとも、あれはあれで似ている範疇に入る?