(旧暦 如月十一日、初午、田打ち)

 観てからしばらくは、形態がどんどん進化するシン・ゴジラのことを今までにないユニークなゴジラだと思っていました。

 んが。
 よーく考えてみますと。
 一連の平成ゴジラ作品には、シンのお仲間っぽい連中がワラワラ出ていたことに気づいたわけです。

 ビオランテは薔薇とゴジラの細胞(G細胞)を融合し培養した結果、生まれた怪物で自己進化する。
 スペースゴジラは宇宙空間に放り出されてしまったG細胞と地球外起源の生命体とが融合して生まれた怪物。
 デストロイヤもゴジラジュニアの細胞を取り込んで進化した。
 オルガも、ほぼ同様の経緯で進化。

 要するに平成ゴジラの半分は、ゴジラが自身の疑似クローンとケンカする物語なんですね。
 体組織レベルで進化する不気味な怪物、という意味ではシンはビオランテたちに並ぶクリーチャーということ。ならば通常はゴジラに対峙する敵怪獣となるべきところをメインにしたのが『シン』の革新的な点ですか。
 もしも『シン』の続編があるなら、触手くらいは楽勝で生えそうだな(笑)。