三隣亡 (旧暦 如月廿九日、三の午)

 怖い物見たさ、と言うか、いちおうのチェックという意味で観てみました、リニューアルしたという『鑑定団』を。

 ひどいものですね。

 OPに意味不明な猫の鳴き声が追加され。
 スタジオ・セットが安っぽくなって。
 しかも内容に、まったく変更がない。どこがリニューアルなんだか。
 今田さんと福澤さんではキャラが被るので、二人司会という意味が皆無になってますし。
 やっぱり、石坂さんを降ろすためだけのリニューアルだったようですね。で、吉田さん一人が「漢」を見せた、と。

 ちなみに、今田さんですが。
 聞くところによると、「石坂さんが鑑定士より先にあれこれ喋ってしまうから」と番組編集の弁護をしたとのこと。
 ああ、この人、歳取ってマシになったかと思ってましたが、どうやらゲスのままだったようで(実は、若手の頃の今田と東野の二人は、大大大嫌いな芸人だったのですよ。とにかくゲス根性が見え見えで不愉快極まりなかった)。こういうときに保身したいのなら中立に徹するべきなのに、よりにもよってP寄り発言をするなんて……ああ、嫌な野郎だ!
 一つ、今田発言にツッコミ入れるなら。

 それ言ったら『ブラタモリ』はどうなんねん?

 ということ。
 メインが喋りすぎたところで、別に発言カットしなくても番組は成立するのだよチミィ。むしろ、面白くできるのだよチミィ。



 昔話をしましょう。

 22年前に初めて『鑑定団』を観た妖之佑は、「ああ、紳助さん、企画をTV東京に持ち込んだな」と思ったのです。
 と言うのも、『鑑定団』が始まる直前まで、『EXテレビ』(伝説的深夜番組『11PM』の後番組で、エロいものとか、矢追さんのUFO特集や、ジミー大西さんいじりなどなど、いろいろやってた)の大阪読売TV版にて、一般視聴者(というか、ぶっちゃけ成金バカ)に自慢の家宝を持ち寄ってもらって専門家が鑑定、偽物だと暴いて絶望させるという「人の不幸は蜜の味」ド直球な鬼畜企画があったのです。しかも、この大阪版の司会は島田紳助さんと、知性派である上岡龍太郎さんの二人体制。ほら、まんま『鑑定団』でしょ?
 実のところ、『EXテレビ』の企画をTV東京が買い取ったというのが真相なのだそうですが、とにかく両者が酷似しているのは当然のことでした。となれば、依頼人いじりの紳助さんに、知識豊富な石坂さんという組み合わせでなければ『鑑定団』は成立しません。紳助さん、「骨董に興味ない」と公言なさってましたからね(笑)。それでいいのですよ。興味ない人と、興味津々な人のコンビで。

 石坂さんの発言をカットするというのは、『鑑定団』のコンセプトを理解しない愚か者の愚行です。
 近年、「『鑑定団』が面白くない」という声が増えているのも当然の結果でしょう。実際、面白くないですからね。
 返す返すも、紳助さんの降板が曲がり角でしたね。



 確認できましたので、もう二度と『鑑定団』は観ません。時間の無駄ですから。
 もしも件のPがクビになって石坂さんが復帰なさるというなら別ですけどねー。





 余談ですが。
 大阪版の『EXテレビ』では、ジミー大西さんに好き勝手に絵画を描かせる企画もあったのです。
 で、後にジミーさんが画家に転向なさったのは、よく知られていること。