もしもこれが日本だと、どうなるんだか……。

 ギリシャ国民の気持ちは理解できます。
 年金が貰えなくなるとかの切実な声を聞けば、同情もしたくなります。


(以下、マジにつまらん長文なので畳んでおきます。開いてみて、つまらんからと怒らないでくださいね)


 ですが。反対票が六割越えという国民投票の結果に、まるで祭か何かのように狂喜乱舞する様子には、あきれる他ないのです。
 外野から見れば、EU提示の緊縮策を受け入れても拒否しても、どちらに転んでも結果は同じ。ジリ貧ですよ。となると、短期的な損失には目をつぶり、長期的にどちらがギリシャにとって得かを考えるべき段階でしょう。銀行の前で「今日が期限の家賃を払えない」などと困惑する庶民には無理な話ですが、政権は、これを考えて動く義務がある。
 にもかかわらず、歴代政権は何もせず。その無能政権を引きずり下ろした現政権とて、できもしない公約を釣り餌に有権者を口説いて票を集めただけで、やってることと言えば無策政治そのもの。
 判っててなのか単にバカなのか、ギリシャ国民は、本来怒るべき相手である政府を責めずに、EUの悪口ばかり言う。
 これって、支援する側、つまりはお金を貸す側からすれば「偉そうに言える立場か」でしょう。すでに何年も借金で喰ってる負債者が、追い詰められてもなお倹約するそぶりすら見せずに「ケセラセラ」では、そりゃー貸す気も失せると言うものです。

 これねー。日本だと判りにくい状況ではあるのですが。
 要するに、マジでギリシャ政府の金庫・財布にユーロ紙幣がない、という事態なのですよ(銀行の払い出し制限、さらに営業停止は、残り少ない紙幣を外に出させないための苦肉の策)。無論、EUへ参加したときに、ギリシャ独自の貨幣・ドラクマは廃止されているわけで、今は存在すらしていない。要するに、ガチの金欠。漫画のキャラが財布を逆さに振っても埃しか出てこない絵と、まったく同じです。
 財布が空っぽなのに、債権者であるEUに対するあの強気。まるで大川興業総帥並みですね(爆)。

 なら、ギリシャはEU離脱してドラクマを発行するか?
 という方法も成果は期待できないでしょうね。発行したとしても政府の信用度が限りなくゼロのためドラクマの信用度もゼロ、発行直後からスーパー・インフレが生ずる危険性すらある。ユーロやドルとの両替も、できるわけがない。他国からすれば無価値な紙切れにすぎませんからね。
 つまり、今なら少額とは言えユーロ紙幣があるから、他のEU国でも買い物ができる。しかし、もしもEUを離脱すれば外国ではコーヒー一杯すら飲めなくなる。
 これがギリシャ国民の望むこととは思えないんですけどね。

 ギリシャがEU離脱となるとユーロの信用性が傷つく、という心配があるようですが。
 逆に、悪質な負債者を切り離すことでユーロが安定する、という考えかたもあると思います。
 正念場、どうなりますかねー。
 独逸は、かつてベルリンの壁が崩壊しての東西再統合の際、資本主義の西独逸(BMWやベンツを作って乗るお金持ち)が共産主義の東独逸(段ボール製のトラバントしかなかった貧乏国)をかなり助けて今に至る、という経歴があります。当時、自分の利益が減ることを嫌がった西側国民から「東なんて見捨てろ」という強硬意見すら出ていたのをニュースで観た憶えがあります。つまり、今の独逸には知恵がある。この知恵でギリシャを救うことができるのではないかと思うのです。当のギリシャが独逸を敵視しているようでは、それも叶わぬ夢でしょうけどね……。

 一番危険なのは、借金で首の回らない人に近づいてくる、悪徳金融業者による悪魔の囁きです。
 中国がギリシャに対して「融通しましょうか?」と言ってるそうじゃありませんか。
 それ、絶対にヤバいよ。何せ相手が相手だから。