(旧暦 睦月廿七日)

 Gアルケインは可変MSのはずで。
 にもかかわらず劇中で、まったく変形しない。
 なんでも、デザイナーさんのお話によると、富野監督が設定を完全に忘れているらしく(いや、わざと忘れたフリしてんじゃね?)。

 富野作品と言えば。
エルガイム』後半に出てきたヌーベル・ディザード。
 あれも変形する設定・デザインなのに、演出に完全無視された形でしたっけ。
 しかも、こっちはプラモでも変形をオミットされた(当時の技術では無理だったかも)。

 御大ゆえに許される“健忘”。
 なのでせふか。

 ぶっちゃけ。
 ガブスレイだのハンブラビだのメッサーラだのメタスだのと、意味不明な可変MSが乱立していた『Zガンダム』後半は、観ていて飽きがくるレベルでした。
 それゆえ、変形しないキュベレイやジ・オには強く惹かれたものです。
(面白メカなアッシマーと、変形に無理がないうえに意味のあるギャプランは今でも好き♪)


Zガンダム』で味をしめたバンダイは、以降の各作品で積極的に可変ロボを推すようになりましたっけ。
 富野監督と比較して硬派一徹な高橋監督には迷惑なとばっちりだったでしょうね。『ダグラム』と『ボトムズ』こそタカラ提供だったものの、『レイズナー』はバンダイ提供ですから……。
 その『レイズナー』で変形するレイズナー2を用意していた矢先に番組打ち切り決定というのも、皮肉と言うか因果と言うか。後に制作された続編OVAにてレイズナー二号機を変形しない機体としたのは、高橋監督のささやかな抗議だったのかも、などと思うのでありました。
 なお、同じく高橋作品の『ガリアン』はタカラ提供だったにもかかわらず、主役メカ・ガリアンは分離・変形メカでした。はっきり言って変形させることに違和感アリアリな世界観だったんですけどねぇ……。バンダイならぬタカラだけに不思議です(笑)。