三隣亡 (旧暦 閏長月廿日)

 フィギュア・スケートの公開練習。

 複数の選手が無秩序なままに交錯する形式に疑問。
 つか、廃止すべきでしょ、あんなの!

 それと。
 怪我をおしての出場は。
 かつての貴乃花関を思い出します。本割りで膝を壊したにもかかわらず、優勝決定戦を棄権しなかったヤツ。
 あのときも、小泉総理(当時)を始め、その闘志に「感動した」という声が多々あったものの、あれは褒めるべき行為ではなかった。
 実際、あれで貴乃花関は力士寿命を大幅に縮めました。あの強行さえなければ、千代の富士関と同様、十年は綱を張れた人だっただけに、残念に思うと同時に、当時の小泉総理のコメントには怒りすら憶えたものです。いえ、今でも怒ってます。
「血の汗流せ、涙を拭くな」とか「とっつぁん、タオル投げるなよ」とかってぇスポ根は、昭和の、しかもフィクションの中だから成立するものです。現実にやっていいものではありません。
 最終的に決めるのが選手本人なのは、当然なのですが。
 ただ、競技に臨んでいる選手はアドレナリンがバンバン出ていることもあり、イケイケの精神状態。ゆえに痛みも感じにくく、引くことを知らないと思われます。だからこそ、せめて周囲は大事を取る方向で動くべきでしょう。背中を押すなど、もってのほか。
 その意味では、決して無理せず、体調を優先する合理主義に徹した江川卓投手の現役姿勢は正解だったと言えますね。