伏見稲荷火焚祭 (旧暦 閏長月十六日)

 最近になって、ふと思い出した『ウルトラマン80』の最終回に、かなりの疑問を感じております。

 どういうことかと申しますと。

 この劇中での戦闘チームである「UGM」の紅一点、城野隊員が、シリーズ中途で殉職退場(実際は、中の人が所属する事務所の意向による強引な途中降板、という噂)するのですが。
 最終回、その城野隊員生き写しなアンドロイド隊員が登場するのですよ。

 まあ、せめて最終回の大団円にくらい、中の人に同席してほしいという、現場の気持ちからのものだとは思うのですが。

 それにしてもね。
 殉職した隊員、つまり故人の姿をそのままアンドロイドに採用するという、UGM科学班のセンスは、悪趣味以外の何ものでもない!
 と、今は感じているのですよ。
 どこぞの蝋人形館でもあるまいし。ねえ?

 故人の姿そのままのアンドロイド、というと何を置いても『鉄腕アトム』が出てきます。
 この作品中、死んだ息子に似せてロボットを作った天馬博士について、決して肯定的には描かれていません。天馬博士がマッドに近いという描写すらあります。
 手塚先生は、死者に似せたロボットを作る行為そのものを悪趣味だと考えておられたのだと思います(もちろん、だからと言って、アトム本人に罪などありませんけどね)。

 今さらなことですが。
ウルトラマン80』の最終回、城野隊員の中の人に出てほしいという気持ちは理解できるものの、他に方法はなかったのだろうかと、そう思います。