こちらの地域でやっていた『孤独のグルメ』(一期)が終わりました。
『美味しんぼ』に丿貫(へちかん)なる風変わりな茶人が登場したのをご記憶のかたもおありでしょう。
究極vs至高の鍋料理対決にて「海原さんの料理のほうが好きだな」と言い、山岡と栗田が「あんな贅沢な料理を!?」と驚いた、あの爺さまです。
そのとき丿貫が両名に言った言葉「高いか安いかは人の都合、佛の前には皆同じ」というのが、ここに来て響きます。
けっきょく、食べ物にA級もB級もない。旨いか不味いか、それだけ。
ということでしょう。
そう考えますと。
食べ物の旨さを伝える点において『孤独のグルメ』は素直でストレートゆえ秀でている。
反面、一流料理人と高級食材と御託を並べた『アイアンシェフ』は完全に失敗している。
と、はっきり言えます。
『孤独のグルメ』を読んだあとでは観たあとでは。
『アイアンシェフ』の審査員たちだけでなく、『美味しんぼ』の山岡らも。
ともに安っぽくて俗っぽくて滑稽です。その『美味しんぼ』の台詞からお借りするなら「肝心な物事の根っ子をつかんでいない」ということですね。
山岡は最初期のチンピラ風キャラがベストでしょう、見た目も言動も。あの頃は原作者ご本人が山岡を通して魯山人にケンカ売ってましたから♪
次いで、馬面の時代も、まあまあOK。
目玉焼きみたいなタレ目になって一気に毒気が抜けちまって、つまらなくなった。
魯山人の影武者としての悪役ラスボスだった海原雄山も、このあたりから良い人になっちまうし。
ドラマ『孤独のグルメ』は、もう一度、通しで観たいですね。