(旧暦 師走十五日)

 あえて固有名詞は出しません。
 営業妨害とか難癖つけられたくないですから。


 何年か前に某レーベルで盗作騒動が起こったことをご記憶のかたも多いでしょう。あまりに露骨な盗作……と言うか文章のコピペぶりに、さしものネット民のかたがたも呆れておられたあれです。
 けっきょく、本人と編集部による謝罪、回収、絶版という形で終焉を迎えた……はずでした。

 まさか、同レーベルから同名義で新作を刊行なさるとはね。

 ご本人の真意よりも、編集部の考えが理解できません。
 ラノベ業界は、どこも競争が激しく、たくさんの書き手が出版の枠を取り合う状態だと聞いています。
 そんな厳しい椅子取り合戦において、なぜ前歴のある、つまりリスクのある人物に少ない枠を割いたのかが理解できないのです。
 ぶっちゃけ、他の真面目に頑張ってる新人さんを使ってやれよ、と思う。

 理由を勝手に想像してみます。

1:十年に一度あるかないかの、もの凄い逸材。

2:あえて燃料投下して炎上商法を狙っている。

3:強力なコネの持ち主ゆえ切りたくても切れない。

 さすがに1は、ないと思います。
 才能あれば、そもそもコピペなんてしませんからね。

 2は、問題の絶版本が中古本屋(古書店や古本屋などとは絶対に呼びたくない業種のあれ)やネット・オークションで異常高騰した事実を編集部が意識したとすれば、ありえなくもないかと。
 なお、この場合は買う側の姿勢に問題がありすぎます。

 3も、あって不思議ではないですね。
 大人の事情、代表格ですから。

 1と3は置いときまして。

 2だとすれば由々しきことではないかと思うのですよ。これはつまり、編集部に倫理観が欠如していることになりますからね。
 金勘定だけで言えば、絶版で生じた損失を回収しないことには上が許してくれない、ってな思考回路は自然な流れかもしれません。そこで、あえて話題性重視で前歴者を使う。
 これで売れて続刊まで出せる勢いなら、それはそれでよし。
 続刊がなくとも一巻だけ売れれば読者からゴミ認定が来ようとも御の字。その場合は、もちろん切り捨てる。
 なんて展開が想定されているのかもしれませんね。
 想像ですよ、想像。

 もし、こうだとして。
 と言うか理由がどうあれ、あれだけの問題を起こした人物をあっさり再デビューさせる時点で、件のレーベルに良心・良識があるのかどうか、かなり疑わしいと思ってますよ。

 これは、あくまでも根拠のない噂の範囲ですが。
 酷いレーベルだと、新人賞の下読みをしている売れない作家たちが投稿作品の中で「これは!」と思ったものを意図的に落とし、その作品から盗用するとか……。

 閑話休題

 事実がどうあれ。
 編集部に自制・自浄の様子が見られないと読者の立場でシラけるばかりでなく、そーゆーところに投稿するのも、かなりリスキーだと一般応募者が用心せざるをえないわけで。
 そう考えますと、安易に盗作者を使い続ける姿勢はレーベルへの信頼低下につながり、けっきょくは損失を増やさないかと思うのですよね。

「前途ある若者を見捨てたりせず引き続きチャンスを与える」と言えば聞こえは良いですが。
 でも、そのチャンスは真面目に頑張ってる人たち優先で与えてやっていただきたいものです。

 それにしても。
 あそこ、そんなに新人に対するフォローが厚いとは意外でした(爆)。


 とりあえず。
 私個人としては、投稿先候補が確実に一軒減りました(笑)。





 紅葉の明治村
 2丁目を見通す形で。