(旧暦 文月廿六日、廿六夜待ち)

 かなり涼しくなってきて。
 夜には秋の虫の音が、けっこう響くようになりました。

 なのに、いまだに鳴いてる蝉がいますね。

 彼らの行く末を思うと気の毒になります。

 だって、連中のしていることは、人通りのない寂れた場所で必死になって女の子ひっかけようとしてるのと同じなのですから。
 女の子キャッチしたかったら繁華街に行くものです。ですが秋となった今、“繁華街”など、どこにもありません。

 必死に鳴き続けている蝉の声に、もののあはれを感じざるを得ません。
 せめて、彼らの来世に幸あれ。