天しゃ、三隣亡 (旧暦 文月八日)

 メズール退場。
 ついに貴重な鑑賞対象の出番が、なくなった(こらこら)。

 メズールがガメルに優しく接していたのも、実はガメルの菓子同様、“ナンチャッテ”な愛情ごっこだったとはね。
 て言うか、グリードの感覚すべてが灰色で砂だと提示された時点で、このメズールの真意を見いだせなかった自分の鈍感さに腹が立ちます。

 グリードが最終的には人を喰らう。
 この重要情報を、もう少し早く出していてほしかったですね。
 ドクターの口からでも、会長からでも、いいですが。
 できれば、映像として人を喰らうところを示してほしかった、もっと早くからね。
「グリード=怪人」ということを、きっちり描写すべきだったと思うのですよ。物語の大前提として。
 なのに、ほぼ一年間を妙に人間くさい演出ばかりしてきてますからね、グリード。
「人を喰らう」ということに対し、どうしても唐突感が拭えません。

 バースが壊れてのプロトタイプ導入は、お約束。
(お約束すぎて、つまらんです。外見上の変化ないし)

 最終回へ向けてグリード人員整理なので盛り上がるべきなのですが。
 何か、盛り上がらない。

 原因は、たぶんメダガブリューでしょう。
 あれで相手のコアを斬る、という、とどめの形が固定されてしまっているので、グリード退場に関する展開が見えすぎるのですよ。
 メズールを失ったガメルが次回、メダガブリューによってコアを斬られるのも確実でしょう。
 もしそうなら、工夫も何も、あったもんじゃない。
 メダガブリュー無双で玩具バカ売れを目論んだスポンサーのご意見によるものなのでしょうが……カネ出す奴が内容に口出ししすぎると、宜しくない効果しか生まないのですがね。

 今回は、トライドベンダーを併用したのが、制作スタッフさんの精一杯の努力でしょう。
 メダガブリューはプトティラでなくとも使えるというご都合主義が、功を奏しましたね。

 ついでに言うと。
 どこでも地面に手を突き刺すと取り出せるメダガブリュー、という設定は面白いし好きです。
 紫のメダルが恐竜の力を持っているということからの「化石」、「発掘」あたりのイメージからなのでしょうね。
 ただ、その設定のわりにメカメカしているのが気に入りません。
 できればクリーチャー的デザインが欲しい。
 まあ玩具化事情のため、それは無理でしょうから。せめて掘り出したときは石っぽくて生物っぽくて、オーズがひと振りするとピカピカになる、とかなら視覚的に納得もいくのですが。

 そう言えば、オーズは平成ライダーには珍しく、スタート時、専用の得物を持たない素手のライダーでしたね(メダジャリバーは鴻上提供のものなので、いちおう別扱いとします)。
 追加されたタジャスピナーも武装ではあっても、得物って感じでもなかったですし。プトティラ登場で、ようやく専用武器を手にしたオーズって、特筆に値するかもです。
 とは言え、トラクローやらウナギムチやらクワガタ頭といった便利アイテムを駆使してはきましたが(笑)。
 それでも、強化する前の初期装備段階では素手、という平成ライダーは珍しいほうでしょうね。

 仮面ライダー素手で闘う。
 この姿に戻る日は来るのでしょうか……。