庚申 (旧暦 文月十日)

 弦ちゃんのアクション、すげーっ!!



『フォーゼ』のヒロインは断じてユウキではありません。
 賢吾です!
(病弱でツンデレで悲劇の運命背負ってんだぜ。ヒロインだろ?)

 てな最終回でしたね。

 開始当時は不安でしたが、こうして終わってみると終始安定していましたね。
 これは『W』以降の平成ライダー二期(『ディケイド』までの十年を一期とする)に共通する特徴です。

 まあ不満はありますよ、もちろん。
 当初、鳴り物入りでご登場だったホロスコープスの幹部たちでしたが、蓋を開けてみれば「組織」とはほど遠い小集団だったり(つか、頭数では仮面ライダー部に負けてっぞ♪)。
 十二使徒への覚醒プロセスが回を追うごとに、ぞんざいになったり(ジェミニやピスケスなんて、やっつけすぎ)。
 江本教授@タチバナさん@ヴァルゴによって M-BUS に保護されているはずの園ちゃんや落研が、そのまま放置だったり。
 そもそも、月面で発見した謎のコアスイッチから、そーも簡単にアストロスイッチやゾディアーツスイッチを開発できるものなのか?(どう見ても、歌星、我望それぞれ個人で研究開発してたよね? 財団Xが我望を支援したのは最近のことだろうし)

 それでも。
「面白いは正義」だからいいのです。

 弦ちゃん、平成ライダーの主人公としては珍しいタイプでした。
 最後までブレなかった。つか、成長しなかった(悪い意味ではなく、第一話からしっかりしてたって意味です)。
 むしろ、ブレ知らず弦ちゃんの影響で周囲みんなが成長した物語でしたね。
 嫌な奴だったサブキャラが主人公の影響で良い奴に、ってのは平成ライダーではよくあるパターンなのですが(『龍騎』の蓮とか『剣』の始とか『W』の照井とか『OOO』の後藤ちゃんとかね)。全員というのは初めてだと思う。

「天高全員と友だちになる男だ」の有言実行、最後に理事長とまでダチになった弦ちゃん、素敵すぎます。
(園ちゃんと落研は、まあ保留ということで。校長は……ええとどうしましょ。立神は天高関係者じゃないから、いいよね)

 ただ。
 ここも不満要素の一つなのですが。
 ラストでの理事長の善人化には、もう少し丁寧さが欲しかったとは思います。つまり、そもそも悪人ではなかったという描写が各所に欲しかった。
 これも平成ライダー二期共通の特徴なのですが、『W』の園咲琉兵衛、『OOO』の鴻上会長とも自分なりに世の中のことを真剣に考えている。琉兵衛は悪役として風都を実験場としましたが、それも深い意図あってのこと。会長は、まああーゆー人なので(笑)。
 理事長にも、そういった面がもっと欲しかったですね。それでこそ今際の際でのアクエリアス・スイッチ使用につながる。
 しかしながら、残念なことに本編では「プレゼンターに会いたい」だけの人でしたから。歌星に選民主義を責められて激高したくらいですから。
 せめて「自分がプレゼンターに会うことで人類全体の利益となる」くらいの信念、あるいは思い込みがあればねぇ。
 終盤、唐突に学食でコックやらせるくらいなら、そういうこだわりをもっと各回で出せばよかったんですよ。理事長の人となりとしてね。

 理事長考案のスープを飲み干した弦ちゃんがサジタリウス・ノヴァとの決戦にと廊下を歩くシーン。
 リーゼント、短ラン、ボンタンの姿がこれほど似合うとは思いもしませんでした。格好良すぎます。
 このシーンを想定して、弦ちゃんの衣装を決めたのかなあ。だとしたら凄い!

「卒業キック授与」には、さすがに笑いましたけどねー(苦笑)。

 エピローグが第一話とのキャッチボールになっていたのも凄くよかったです。
 センスが光ってるよな、『フォーゼ』のスタッフ。

 最終カットで次期キャストが客演というのも平成二期の伝統化してますね。
『OOO』最終回でも天高の制服が見えましたし。
(もっとも『W』最終回がどうだったか記憶にないのですが……)



 それにしても、ウィザードリングがデカすぎてギャグにしか見えんぞ(美羽と大文字のあれは安物コントでしたけどね♪)。
 あれでも動きだすとサマになるのが平成ライダーなのですがね。
 次回作も楽しみたいと思います。

『W』のメモリ×2、『OOO』のメダル×3、『フォーゼ』のスイッチ×4を受け、次は「×5」だという予想は『フォーゼ』放送開始直後からありましたが、どうやら外れた、というかスタッフに肩透かしされたようですね。(;^_^A