(旧暦 文月八日)

 1958年の、この日。
 日本の食卓に「即席麺」という新たなカテゴリーが登場しました。
チキンラーメン」の発売です。つまりインスタントラーメンのメジャー・デビューなのです。
(※ 厳密には今の「ベビースターラーメン」のメーカーが、チキンラーメンより先に即席麺を登場させはした。が大失敗に終わった。なお、その副産物である本来廃棄すべき麺のカケラを商品にしたのが「ベビースターラーメン」なのだよ)

オバケのQ太郎』に出てくる、ラーメン大好きな小池さん。
 この人がいつも「ラーメン食べよう」と丼に湯を注ぐシーンを不思議に思ったかたも多いと思います。小池さんは鍋を使ったことが一切ありませんからね。
 これは、当時の即席麺調理法がチキンラーメンの方式だったからです。鍋で煮込むのは、もう少しあとの時代なのですね。

 また、『こち亀』で、両さんの同僚である又崎が“発掘した貴重品”であるエースコックの骨董級なラーメンを、小池さん同様、丼に湯を注ぐ方法で調理していました。
 ちなみに、この又崎、カップ麺のほうが簡単だと言う両さんの声を邪道であると斬って捨ててます(笑)。

 即席麺が鍋で煮る袋麺となり、そしてカップ麺に。さらにはノンフライ麺まで。
 この変遷自体に文句はありません。カップ麺は手軽で便利ですし、ノンフライ麺は胸焼けしませんから。
 ただ、チキンラーメンのみが維持している「丼に出して湯を注ぐだけ」という即席麺の基本中の基本。
 これに準じた製品を他社からも出してほしいと思うのですよね。
 もちろんチキンラーメンさえ健在であれば、いいことはいいのですが。でも、やっぱり多彩なほうが楽しいじゃありませんか。