三日の「特撮三昧」ついでに。
『ウルトラ』の中で視聴率一桁という不名誉な記録を残し、全シリーズ中最低作品の烙印をも押されているのが『ウルトラマンレオ』であるというのは、各位異論のないところだと思うのです。
なにせ、ウルトラでスポ根をやってしまいましたからね。
しかも、『帰ってきた』以降、怪獣・星人の着ぐるみが劣化の一途を辿る中の終着駅のごとき造形レベルもあり、観るに耐えない回が多々ありました。
一度、『タロウ』で中身空っぽになった脚本の質も、元に戻せなかったようで……あらゆる点で残念な作品でした。
ですが。
主題歌(前期分)に限っては、『レオ』はシリーズ中でも屈指のものだと、今回の「三昧」を聴いて、あらためて感じました。
放送当時は、例のノストラダムスが大ブームでしたし、たしか放送開始が映画『日本沈没』の直後だったこともあってなのか、歌詞が悲壮なのですよ。エピソードのサブ・タイトルに「沈没」とか入ってましたし。
具体的には歌詞の中に、
「地球の最期が来ると言う」
「誰かの予言が当たるとき」
「何かが終わりを告げるとき」
などというフレーズが、ありました。
こうして書き出してみると、あからさまに、ノストラダムスと小松左京ですね。
ただ、お待ちください。
私が「屈指」と言ったのは、ここではありません。
これら、おどろおどろしい文句の後に続く言葉が素晴らしいのです。
「みんなの未来を壊しちゃいけない」
「誰もが勇気を忘れちゃいけない」
「優しい心を忘れちゃいけない」
どうですか。
一年前の震災の爪痕が未だに残ってる今、怒られるかもしれませんが。
それでも、そういった厳しい状況でこそ、この言葉は本当に大切だと思います。
この歌詞をそのまま作品にすれば、きっと『レオ』は名作になったことでしょう。
確認のために調べましたら。作詞は、なんとあの阿久悠さんでした。
そりゃ凄いわけだ。