初大師、一粒万倍日、不成就日 (旧暦 師走世日)

 もう何年も言われ続けてたジムニー5ドア。
 ついに印度と豪で発売だそうで。

 そう。
 大陸で発売なんですよね。
 なのになぜか日本国内で盛り上がってる。

 国内販売すると思うかフツー。
 ただでさえ、シエラは未だに納期一年以上が続いてる人気車種です。そんなところに5ドアを加えたら、3ドアの納期も一向に縮まらないはず。
 まあ5ドア車作るのは印度の工場でしょうけど。それでも、まったく影響しないはずもなく。
 待たされてる人たちが怒るんじゃね?

 ああ。
 一部に勘違いしている、おめでたい人もいるようですが。
 5ドアのジムニーは仮に国内販売されるなら当然のこと登録車つまりシエラのクラスになりますよ。軽規格には入りません。物理的に無理。

 ジムニーのメリットって軽量コンパクトで、しかもハードな走破性ですからね。
 人々が列車の外側にしがみついて旅する印度はともかく、日本国内で小柄さを放棄したジムニーって、役に立つのか疑問です。

 軽より長くなったジムニーでは、軽の小回りはもちろん利きません。段差の乗り越えでも簡単に腹か顎か尻か擦るでしょうね。
 しかもボディ幅は軽そのものなので中が狭っ苦しいったら。
 さらに、ラダーと四輪リジッドの組み合わせで乗り心地は見事に軽トラ。

 いやいや、選ぶメリット無いやん。人々が列車の外側にしがみついて旅する印度ならともかく。
 家族がいるからと3ドアのジムニーを泣く泣く諦めてた人が勘違いして5ドアを欲する暇に、ハスラー買いましょうよ。そのほうが幸せになれますって。

 現行ジムニーのことを「小さなGクラス」という意味を込めて「ベビーG」と呼んでいる層もいると聞きますが。
 あくまでも好意的な洒落と捉えるべきで、乗り心地とか室内の快適さとか、Gクラスとの間には越えられない壁が二桁枚数立ちはだかってますから。まちがっても、内容まで「小さなGクラス」と思っちゃいけない。

 仮にもしも国内販売されても、買ってすぐに「思ってたのと違う」「使えねー5ドアだ」「尻が痛い」と手放す人が多発すると思われ。
 スズキも判ってるから、国内には持ち込まない気がしますね。
 ま、どこかが個人輸入で国内流通させたら、日本の道路事情にはあんまり合わないことが証明されるかもです。そうなったらなったで、希少価値だけは付くな。うん。



 まあ一番の原因はエスクードがデカくなりすぎたってことなんでしょうけど。
 最終型エスクードジムニーの間が広がりすぎてるのは事実で。でも、この間を埋める車はジムニー5ドアではないと思います。無理がある。
 普通に考えれば、原点回帰したエスクードの復活をこそ要望するべきだとは思いますね。
 初期型ノマドのほうが遙かに実用性が高いですよ、ジムニー5ドアより。

 だから言ってんだよ。
 ハスラーに対するクロスビーみたく。
 ジムニーを一回り大きくしたジムニー似の車を出したほうが絶対に良い。
 と。