納めの大師 (旧暦 霜月廿八日)

 ラムのかーちゃん登場。
 そして、平野文さん御降臨。
 しかも、鬼語だけでなく副音声用に日本語も吹き込まれて。お疲れ様です。

 かーちゃんのアイ・メイクが旧作ラムのそれだったり、ラムとの再会シーンで地味に旧楽曲が流れたりと、旧アニメを否定するわりに、しっかり旧アニメを意識してるんだよなあ。

 この傾向、実は他にもあって。

 みんな気づいてるか?
 面堂の白い詰襟服。
 ラム@セーラー服姿の黄色いタイ。
 ともに原作でなく、旧アニメ準拠なんですぜ。
 原作では、ラムのタイは他女子生徒と同色だし。
 面堂の詰襟服はトーン(アミかな?)が貼ってあった。つまり少なくとも白ではない(カバーとかのカラー絵で何色だったか忘れた)。
 友引高校校舎を築六十年木造モルタル塗り時計塔から元の平凡テッコンキンクリートに戻したわりに、そーゆー細かなところで旧アニメを引きずりまくってる。ラム、あたる、面堂の演技も明らかに旧作の声優さんを意識してますし。
 こういった中途半端は観ていて座り心地がよろしくない。原作者への忖度で押井色を排除したいのなら、全部スッパリ切り捨てんかい。

 で。
「君去りし後」。

 原作においては、あたるのラムに対する本心を明確に描いた、もしくは露骨に抉った重要回、あたる&ラムのカップリングが確定した謂わばターニング・ポイントであり。
 旧TVアニメでは、最終回の前、第194回(第217話)「お別れ直前スペシャル 輝け!! うる星大賞」で見事、全話中の第一位に輝いた名エピソードでもある。
 これがダメだったら、今作のスタッフ総出で土下座か丸坊主モンだよ。
 だから、良くてあたりまえ。

 原作の面白さに完全に、おんぶにだっこ(よって、落ちで全員がズッコケるなどなど、演出がモロ昭和)。
 原作に無い追加要素は、旧アニメへのリスペクト。
 それを越える、今作ならではと呼ぶべきエッセンスが見られない。



 こちらの地域では放送時間帯が被ってる『陰の実力者』のほうが、フツーに面白いんですがぶっちゃけ……。