バンドの基本と言うと何だろうな?
いえ、バンドと言っても大編成ではなく、今のロックやポップスに至る小編成のことです。
基本なのかどうか。
ジャズで一般的に知られるのは、ピアノ、ベース、ドラムのトリオですね。
もちろん、この構成は絶対的なものではなく、それぞれのグループで好き好きな楽器を組み合わせますが。まあいちおう一般的に、ということで。
で、一人増えてカルテット。
代表選手はあのMJQ(モダン・ジャズ・カルテット)ですが、編成はヴァイヴ(鉄琴)、ピアノ、ベース、ドラムという、実は一般的ではなく個性的という罠(笑)。
とにかく、↑のピアノ・トリオに一つ、サックスだのクラリネットだの、あるいはギターだのといった目玉となる楽器が加わる形態が多いのかな?
なお、もちろんのことですが、クラシックの弦楽四重奏は、まったくの別カテゴリということで、ここでは除外します。
さらに一人加わるのがクインテット。
代表選手とは言えませんが、いちおうMJQ(マンハッタン・ジャズ・クインテット)で見てみますと、トランペット、サックス、ピアノ、ベース、ドラム。まんま、カルテットに、もう一つ目玉楽器が追加されてる。
レベル的に話にならないけど、いかりや体制のドリフも、この基本に沿ってた(中では、加藤茶のドラムと高木ブーのギターが秀でていた)。
やっぱりジャズでの基本はピアノ・トリオということになりそうですね。
そうそう。
クレージーキャッツは意外に思われるかもですが、しっかりしたジャズ・バンドです。
特に谷啓のトロンボーンは日本でも屈指の超高レベル。
ロックは何を置いてもビートルズ。
その編成は、リード・ギター、リズム・ギター、ベース、ドラムという、今でも普通にあるものです。kiss もまったく同じだし、ヴァン・ヘイレンも、ほぼ同じく。
ここにキーボードを足せば完璧な布陣。プリンセス・プリンセスもこれだし、「放課後ティータイム」もそう。レベッカや、閣下でない殿下時代の聖飢魔II も、ほぼこれ。
これ以上、何も言う必要ありませんね。ビートルズは偉大です。
ポップス系で言うと。
基本中の基本は、ギター一本でしょうか。
今でも路上ライヴでやってる人いそうですし。商いの基本が天秤棒の行商というアレに近いのかな。
元祖と言っていいのか、アメリカのフォークは詳しくないので、あえてスルーさせていただきまして。
その影響を受けたであろう和製フォークには、岡林信康、マイク眞木、加藤登紀子、森山良子、杉田二郎などなど、挙げきれないほど大御所がいっぱいおられます。
で、当時の新生と言える絶対的代表選手が、吉田拓郎と井上陽水(と小室等と泉谷しげる)。
このあたりまで、ギター一本だけで勝負できるソロ・プレイヤーさんですね。
二人編成となると、さらに多くなるので、いちいち挙げませんが。
グレープなどで判るように、とにかくギター二本が基本のようで。
三人編成で考えますと。
これがフォークなのかポップスなのかロックなのか、断定するのは難しいのですが。
アリス。とにかく三人組ならアリス。
その編成はリード・ギター、サイド・ギター、ドラム。で、ツイン・ヴォーカル。
ギターがエレキだったらロックだよねこれ。
実は、アルフィー(現「ジ・アルフィー」)も似たような構成で。
リード・ギター、サイド・ギター、ベース。
アルフィーだけの特徴として、三人ヴォーカルという強みがありますけどね。
J-POP のバンドは、アリスとアルフィーが基本を構築したと断定しちまってもいいんじゃないかな。
YMOは、キーボード、ベース、ドラム。やっぱり特筆するような編成ではないな。
TMNは打ち込み音楽だし。
スピッツは、ギター、ギター、ベース、ドラム。
ゆずは、ギター二本。
三線が入ってるので変わってるように思えるけど、上々颱風も実は基本に忠実な編成。
ダンス担当がいる米米CLUB や trf は聴かせる以上に見せる芸なので、バンドと言うよりはパフォーマンス・グループ。大編成だったモダンチョキチョキズも、こっちの仲間と言えるかも。
今までにないビックリドッキリ楽器でも開発されない限り、これ以上の編成の変遷はないかな。
日本独自の、と言えば、まだあった。
昭和の流しに見られた、三味線とアコーディオンのコンビ。
あるいは、三味線とギターが組んだ音楽漫才。
あれらは独特すぎる(笑)。
(※ 以上すべて敬称略)