(旧暦 如月廿九日)

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 『日本のしきたりがまるごとわかる本』
  晋遊舎ムック


 妖之佑が長年に渡って(笑)様々な書籍などから集めて大学ノートや頭の中にまとめあげてきたのと同じ……いえ、それを遙かに上回る情報が、このムック一冊だけであっさり読めます。今までのあれこれは何だったん。(;^_^A
 この本がもっと早く出ていたら、と思うけど。まあ、自力で無手勝流で情報集めしたことは経験値に反映してるやろ。と自分で自分を慰める。

「しきたり」とありますが、むしろ民間信仰を含んだ「風物詩」かなとも思います。要は季節季節の行事を暦に沿って紹介・解説している。
 楽しいのは、暦に沿って各地のお祭りも紹介されているところ。
 こーゆー編集センスを持った所があったんだな。と感心しきりです。

 もちろんヘソ曲がりの妖之佑。諸手を挙げて賞賛などはいたしません。
 細かな箇所で反論したいところも多々ある。
 とは言っても極一部ですけどね。九割越えで素晴らしい内容です。

 あとは……ビジネスマナーまで収録しているのは、かなり違和感。
 特に、車の席順やエレベータでの立ち位置。これらって「日本のしきたり」じゃないですよね。
 エレベータの立ち位置は明らかに車の席順に倣ってる。で、車の席順は、自動車そのものが欧米文化なので、つまりは異国のしきたり。そしてそのルーツは、まちがいなく貴族の乗る高級馬車です。

 も一つ言うと、誰でも戸惑う葬礼での作法。
 これって宗教宗派だけでなく地域差もかなりあるので、一括で一般論で解説していいものじゃないですよ。
 焼香や献花などは、自分の知ってることと違っても、前の人の真似すれば無難にすませられますがね。
 現場で気づいて焦っても修正できないのが、持参するお見舞い金です。「香典」や「花代」などなど表書きを宗派ごとに変えねばならないのはもちろん、水引がマジで地域ごとの違いがあるので、「本に書いてあった」では済まされません。このあたりは、この本の性質上、蛇足な情報かな、と。
 この手の情報は別の本にまとめるべきでしょう、「冠婚葬祭のしきたり」みたく。それで、宗派ごと地域ごとの違いをきちんと載せるのがよろし。

 文句も言いましたが。
 八百円(税別)という価格は、かなりお得だと思います。
 これ読み返して勉強しなおそうかな。