『たけしの超常現象!? 不思議だなニュース』
ああ、もう肯定派×否定派のバトルは、やらないのね。
毎年、師走になると出てくるこの番組。
企画のスタンスが判らない……と言うか、不愉快なんですよね。
たけしさんの笑いも含めて、けっきょくは不可思議現象を「バカ言ってやがる」と笑い飛ばしてやれ、という風に思えて。
実際、肯定派の人選からしてなぁ。今回、出てなかった韮沢さんも含めて、とにかく芳しいかたがた揃いで(苦笑)。
ハナっから、視聴者を笑わせる気、満々なんですよね。
まあ、真剣に取り組んでる人は、こんな阿呆番組に出たりしませんわな。出たところで、何ら得することないから。
今回、ご出演のお二方はもちろんのこと、あのインタビュー動画で出演したウェヴ誌か何かの人? あの人も大概ですね。
メロン頭だかカニ人間だか知りませんが、新たな動画を無理矢理にでも命名してカテゴライズしてしまおうという強引さが鼻につきます。
あのワンコに吠えられてた四つ足が嘘動画でないのなら、どう考えてもロボットでしょ。ロボコンならずとも、知識と技術と材料があれば誰でも作れる時代ですから今や。
とにかく、どいつもこいつも酷いったらありゃしない。
あの、海上にホバリングしていた物体が姿勢を変えて海中に入ってしまう動画が、なんで「3mの宇宙人」なんですか。バカも休み休み言ってくれ。
あれは普通に浮遊できる飛行体が 90度捻って垂直に潜水した。という、SF作品でよく見るシーンに違いありません。あんな斜め上の解説されたら、CG作ったご本人もびっくりですよきっと。
ついでに言っておきますが。3mの宇宙人こと「フラットウッズ・モンスター」が、あの修道女みたいな格好なのは、事件当時の再現イラストのせいです。目撃証言から絵を起こしたときイラストレーターが頑張りすぎたのでしょう。証言に無い細い手やスカートを描き足した超力作のうえ、その絵に遭遇現場の写真を背景として重ねて発表したものだから、モンスターの生写真と誤解されて流布された経緯があるのです。しかも、二十一世紀に入り、このフラットウッズ・モンスターは生物ではなく探査機であろうという説が有力になっており、その外見は単に二つの照明を持ったメカとして解釈されています。今どき、あれが人型モンスターだなんて考えてる人は脳味噌が化石化してますよ(ネタで扱う分には、あのジオングが出家したような姿のほうが楽しいですけどね♪)。
遅番に出勤するフライングヒューマノイドは、もはやギャグですね。その前に出た、猫と虫の位置が被ったせいで猫が飛んだように見えた動画より酷い。自宅の玄関を出たヒューマノイドが飛ぶ前に二秒ほど絵が完全に止まってます。どんな下手クソが編集したんだよ。
それと。
何度も言いますが。
UFO、UMA、超能力は、それぞれ別のカテゴリです。自動車造りと日本舞踊くらいに……いやそれはさすがに言い過ぎか……数学と物理、生物と化学、美術と習字、体育と音楽くらいには違います。
それをすべて一緒くたにすることに、そもそも無理がある。
大半の番組だと、これに心霊も混ぜるからなぁ。もうメチャクチャ。
ブレインダイブとやらは技術つまりトリックですよ。超魔術やイリュージョンなどのお仲間さん。
どうやってるかは全然、判りませんが。
あれを超能力みたく扱うのは、それこそ番組の「超常現象は笑いのネタ」というスタンスの真逆でしょ。番組内でスタンスを断りも無く替えるのは危険ですらありますよ。昔のマリックさん騒動で何も学んでいないのですかTV局は?
伊集院さんが「頭の中で聞こえた」というのは骨伝導を使ってるのかもしれませんね。術者の人が終始、伊集院さんの額に指を押し付けてましたから。
ただ、ひとりさんが感じたというのは、そのトリックがまったく想像できない。むー。
いや、バラエティー番組ですから、体験役・監視役の出演者が実は共犯という説も十二分にあり得ますけどね。手品では、よくある手法ですし。
気で動物を眠らせるあの人(久々に拝見したけど、お元気そうで何より)以外の武闘家さんたちも、もちろん技術ですね。指先だけでも相手の力を巧みに利用できる、まさに合気。
その、人間の体の構造を知り尽くした技が完璧だから、まるで念力で倒しているように見える。
『ドカベン』の最初期、柔道編で師範が岩鬼を投げ飛ばした「空気投げ」が判りやすい。怒りで突進してくる岩鬼のパワーをそのまま岩鬼自身を投げるのに利用したシーンを、水島さんは見事に描いておられました。
眼力だけで相手を退かせるのは……さすがに師匠に対する弟子の忖度でしょ。(;^_^A
動物を眠らせるのは判らないなあ。本当かもしれないし、時間かけてるから向こうが安心して退屈しただけかもしれないし。
ただね。ワンコが欠伸するのは眠いときとは限りません。緊張を意識的にほぐすと言うか、そらすためにも欠伸します。スタジオ内だから、かなり緊張してたんでしょうね、あのワンコは。
まあとにかく。
未知の領域について真面目に考えてる人にとって迷惑な番組であることは、あらためて、よおく判った。