百鬼夜行

 絵馬というのは。
 願掛けをして神社に奉納するものであり、元々は馬を納めたものが後々に馬の絵になった。
 だから「絵馬」と言う。

 なので古くは、神社で買い求めるのではなく、納める人が自ら絵筆を取ったか、あるいは絵の上手い人に描いてもらったか。
 そんなところでしょう。
 それが、参拝者の利便性を考えて……と言えば聞こえは良いが、要は神社の貴重な収入源として、絵馬を頒布するようになった。かな?

 それはいい。

 で。
 某アニメのせいで聖地扱いされているらしい鬼鎮神社。
 ここの鬼が描かれた絵馬は、用途が通常と違うそうで。
 聞くところによりますと、ここの鬼絵馬は、奉納するのではなく持ち帰って御守りとして飾るのだそうな。
 つまり、鬼の力で家を守っていただく。

 以前に読んだ書籍で、太宰府のほうにある神社の鬼絵馬も、同じ用途だと知ったんですが……今、ネットで調べても、どの神社か、どんなデザインの絵馬なのか、さっぱり。
 ガセだった? まさかね。

 ともあれ。
 鬼絵馬を軒下に吊して御守りとするのは、「笑門」絵馬などと同類なのでしょうね。
 広く考えれば、伊勢の有名な「蘇民将来」の木札も、お仲間なのかもしれません。