(旧暦 睦月十七日)

おそ松さん
 チョロ松よ。旅の果てに悟りを開いたんじゃなかったのかよ。俗物さが桁違いに増幅してるんだが? もはや病むレベルすら凌駕。
 耳かきはなぁ……人にやってもらうってのが怖すぎて無理。絶対にミスらないという確証があれば気持ちいいかもしれんが。にしても結末がド昭和だわ。令和の今、通じるのか?
 イヤミ医師が来てから八十人以上の患者が……って、ある意味すげえ。

『BLACK』
 前回、白血球さんが異常を感じてたのは、仲間たちがどこかに非常招集されてたとかでなく、ガチで減ってたのか。やべえ。
 水虫、いnきn、白雲、たむし。場所によって名前が変わるけど犯人は同じ白癬菌かぁ。
 こいつらって不潔さや湿度が原因だと思ってたら、免疫力の低下でも暴れるんだ。これだと同時多発になるというのが怖い。
 白癬菌は体に生えるカビ、なんて言われてたりもするけど。
 免疫力の低下+カビ。というなら、そこらにあるカビが肺や気管支に生えそうなんですが。
 あと、帯状疱疹も免疫力の低下で発症するんだぞ。
 EDにもなってるっぽいし。とにかく外の人、どんどん悪い方向に加速してるよなぁ…………。

『蜘蛛子』
 若葉姫色は死亡。
 と岡ちゃん先生は言ったけど、あれはどういう意味でしょうね。
 主人公が死んでなお物語が進むのは『龍騎』だけだぞ。しかも、それでも残り一話のみだったし。
 第一、蜘蛛子さんは元気いっぱいで龍と闘ってるし、まるで調査兵団な立体起動装置ぶりだし、並列意志もカルテットになってるし♪
 岡ちゃんが嘘をついたのか、あるいは誤認したのか。
 て言うか、そもそも岡ちゃんが、なんでそんなに詳しいのかという疑問もありますわな。いくらエルフ種に転生したからって、さすがにエルフとて万能じゃないし。
 だがしかし。
 実は重要なのは、そこじゃない。
 蜘蛛子さんパートと人間パートが併走するこの作品ですが。実際には、この二つのルートは時間が違うとしか考えられません。
 エルフの所に保護されていたり死亡していたり、まだ消息が知れていなかったりの学友たちのことはともかく。
 セレブな学園にいる転生組すべて同学年で同い年ですよね。岡ちゃんまで同じ年齢。たぶん、元いじめっ子の地竜も同じでしょう。
 何らかの異常によってクラスが全滅して、で全員が同じ異世界に同時に転生した。あるいは例の「管理者D」とやらによって転生させられた?
 つまりクラス全員、この異世界に同時に出現、すなわち産まれた。だから岡ちゃん含めて同年齢同学年。
 一方の蜘蛛子さんは、孵化から描かれてますよね。生まれたての子蜘蛛が、いきなり苦難の数々は記憶に新しい♪
 あー。スモールでレッサーなタラテクトの知性がどうなってるのかは知りませんが、さすがに孵化直後からあれこれ考えられるとは思えません。通常なら本能で動くだけと思われ。蜘蛛子さんが生まれたてでいろいろ思考できたのは、それこそ転生者特権とかでしょ。
 で、現在のゾア・エレまでの進化に、どのくらい費やしたのかは判りませんが、さすがに十何年も地下大迷宮をウロウロしているとは考え難い。
 人間パートの転生組が、たぶん十七歳くらいなのに対して、蜘蛛子さんはまだ一歳にも届いていない(たぶん)。
 であれば、人間パートを現在とするなら、蜘蛛子さんパートは岡ちゃんたちが誕生した頃の、つまり十数年過去の出来事。
 そう考えるなら、岡ちゃんの言う「若葉姫色は死亡」というのは、あり得る話ではある。
 でも、繰り返しになるけど、主人公が死んでなお続く物語なんてのは変則的が過ぎます。最終回直前でやった『龍騎』が限界だと思う。
 という理屈からすると、人間パートにおいても蜘蛛子さんは健在であるとすべきでしょう。どこでどうしているのか、どこまで進化してるのか判りませんが、十七歳になってるんだと思う。何せ天の声が“十七歳”だし(笑)。
 いえね。こっちの世界から向こうの世界に転生するにしても、こっちが同時であって向こうは同時でないというのも成立するんだわ。何せ異世界だから。例えば『オーバーロード』では、モモンガさんとは別のユグドラシル・プレーヤーが転生した可能性をほのめかしてて、しかもそれがモモンガさんがアインズに改名する数百年前だったりするんだな。
 逆に。皆が勢揃いしたとき蜘蛛子さんだけ0歳というのなら。つまり蜘蛛子さんパートと人間パートが同じ時間というのなら、それはそれで「管理者D」の何らかの意図あってのこと、となるんだろうな。その場合は主人公特権ってヤツですね。

『天デ部』
 ごめん。やっぱ無理だ。
 天地創造なのにラップバトルがあるとか無理。
 ギャップを楽しむって領域から逸脱してるよ。
 生物の蘊蓄あれこれは面白いのに、こういうところのせいで楽しみきれない。





 梨花だけ進学できたと思ってたら、沙都子も合格してたのか。
 でも沙都子は、そこが限界だったと。
 受験より入ってからのほうが大変というのは、健全ではあるのですよ。入試というのは本来、その学校のレベルに付いてこれるかどうかを調べるものですからね。なので、入学より卒業のほうが難しいのは、学校の正しい姿です。
 問題なのは、周囲の学歴偏重な考えのほうなんだよ。中退したらしたで、そこからの前向きな道があるべきなんですよね、世の中に。
 まあ、あの学校は詩ぃが脱走したくらいに空気の悪いところだったから、健全とは程遠いんだろうけど。あの監獄の群れには呆れる。
 なぜ梨花は、あんな所を選んだんだ? 普通の学校であっても、興宮に通うだけでも視野が広がるのに。そこから大学に進むとか就職するとかで、いいのに。
 いや、進学先を決めるのは梨花の自由であり権利。実際、梨花は校風に馴染んでるわけだし。
 問題は、合わない学校に無理矢理入った沙都子の側にある。ついでに、沙都子のナンチャッテお嬢様言葉が、本物のお嬢様がたの耳には下品だと判ったし。
 梨花梨花で、受験に沙都子を誘うべきではなかった。まあ、これは結果論ではあるのですが。やりなおせるなら、今度は沙都子を誘わずに自分だけ受験してみるべし、ですな。
 ともかく慣れぬ校風にいつまでも漬かっていたら心がやられる。沙都子が早めに見切りをつけて自主退学、あらためて公立を受けなおす。あるいは、高偏差値の学校だから他校への転校ができるかも。とにかく通う学校を変えるのがベターな選択ではあるんですよね。梨花とは離ればなれになるけど、そのうち再会できる。実際、部活の再結集は成ったわけだし。
 なのに、その癒やしとなるべき部活再集合が……徒になるとは。何あのオヤシロサマもどき? あいつが沙都子をそそのかし闇堕ちさせた真の黒幕でしょうね。

「郷壊し編」とは、心が壊されて怖い沙都子が郷を壊す、ということかな。

 しかし、こうなると『業』の解決は難しいな。
 梨花が進学を諦める、というのは解決とは違う。友のために自分の夢を捨てるなんてのは、まちがってる。
 梨花の過ちは、自分の夢に沙都子を巻き込んだこと。沙都子には自身で志望校を選ばせるべきだった。
 梨花と沙都子は別々の存在なのだから、それぞれの未来がある。助け合うのはいいが、依存しきってはダメ。
 梨花と沙都子と、それぞれの道を選ぶ。そのうえで、沙都子に判らせること。心の自立をさせてやること。
 こじらせてるから大変だけどね。