雪女

 雪女、雪娘、雪女郎、雪女子、雪乳母、氷柱女、しがま女房……。

 共通するのは、

 冬季限定仕様。
 春になると溶けて消える。
 でも死んだわけではなく、次の冬が来ると復活する。

 あたりか。
 目撃者(主に男)をとり殺すのは必ずしも共通した習性ではない。
 名前のとおり、外見は娘だったり妙齢だったり婆様だったり。
 でも、とにかく女性。

 これが男だと……雪男?
 いや、それは違うな。

 雪爺ってのはいるけど、全然違うタイプの妖怪。
 雪女系が、雪の夜に家や山小屋を訪れるのに対して。
 雪爺は山の雪道を歩いていると見えるという、いわば現象系だから。

 ということで。
 旧暦の小正月に雪山から里に下りてくるのは、女性の妖怪に限るようで。
 むさい男だと浪漫がない映えない。ということなのだろうか。

 なお、雪ん婆だけは、一本ダタラの冬場の名前と言えそう。