(旧暦 長月六日)

 昨夜の『世界の何だコレ!? ミステリー』二時間SP。
 隊員たちそれぞれのプレゼンは、まあいい。笑えばいいのだから。

 だけどトリ。あの「きさらぎ駅」もどきのヤツ。
 あれは……微妙でした。

 ありがたいことに当時のログの、まとめ記事があって、振り返ることができるのですが。

https://togetter.com/li/1552617

 怖い思いをされた体験者のかたには、たいへんに失礼を申し上げるのですが。
 妖之佑が「ん?」と感じたのは、無事ご帰還の後にアップされたというルーズリーフのメモ書きの写真です。
 番組の再現Vでは、ネットユーザーの助言で、意識を維持するためにとにかく自分の名前から家族とか周囲のことなどを書きまくる、ということでした。それで書いたものが、あれという。
 あれねー。客観的に冷静に(あるいは冷酷に)言うなら。寝てて夢見てる人を叩き起こして、今見ていたこと(夢の内容)を書かせると、あんな感じになるんですよ。本人はきちんと書いてるつもりで、実は文字の体すら怪しいものが出来上がる。
 なので、現実的解釈をすると、体験者さんは覚醒と睡眠(あるいは意識混濁)の間を彷徨っていたと考えられるのですね。つまり半分朦朧とした状態。一部のツイートが文字化けっぽくなっていたのも同じ理由なんじゃないのかな。帰路につく前に呑んで騒いでた、とあるので酒の影響がありそうですね。ご本人、しきりと「疲れた、眠い」とつぶやいておられましたし。そりゃ、呑んで真夜中に歩いて帰ってりゃ疲れるし眠いし頭働かないさね。
 そんなアブナイ状態のまま夜道を歩けば道にも迷うし、一度ルートを逸れると、地元ですら初見の風景ってけっこうあるものなんですよ。きっと、そんな一本違う道に入ってしまったんでしょう。番組が調べて周辺に学校はなかった、とありましたが、あの写真が校舎とは限らない。鉄筋コンクリの建物すべてチェックしたのか? ぐーさんマップ見ただけで「調べた」とか言ってんじゃねーのかぁ番組スタッフよぉ。
 トンネルがあったというのは、ひょっとすると視野が狭まったのかもしれませんね。疲労が限界に近づくと目の前がブラックアウトしますから。
 最後に出てきたドアは、「見覚えがあるような」と言ってました。そりゃそうです。ご自宅の玄関ですよ、あれ。だから、無事に帰って、そのまま玄関で寝ちまった。で、ご家族に叩き起こされた。
 けっきょく、酔っ払いさんが徒歩で帰宅中、アルコールと睡魔と疲労(と、ひょっとすると体調不良)のせいで幻覚に囚われて不安になった。それでも何とか帰巣本能のなせるわざ、ご帰宅に至った。というのが“事件”の顛末ではないかと。

 以上は、これでも体験者さんに好意的な解釈でして。
 実は、もう一つの解釈も、ないこともない。

 スマホのバッテリー残量が1%になって不安をつぶやいておられ。で、「充電器あった」とあって。で、「15%」まで回復していた。
 えーと、体験者さんって普段から災害対策を取られているのですね。だって、歩いたまま充電できるってことは手回し機ですよね。手回し充電器を常に携行しておられる。それ以外ありえないですよね。いや、素晴らしい防災姿勢です(拍手拍手)。
 
 そもそも呑んだ帰りに五キロも歩こうとするかな?
 タクシー捕まらないなら、帰るの諦めないかな? 呑み仲間に付いてかないかな?
 酔ってて正常な判断力が欠けていたのでしょうか。その時点で、すでに“異世界”は始まっていたということかも。
 闇の眷属でもない限り、深夜の単独徒歩五キロは無謀としか……。

 深夜枠ならともかく。
 ゴールデンでやるネタかよフジTV。



 通い慣れた道の途中に、いきなり見知らぬ場所、あるいは同じ光景なのに誰一人いないというシチュエーションは、ノベルゲーム『インタールード』にありましたね。主人公やヒロインが、この状況に放り込まれる。そんな誰もいない世界だけど、一人二人の(危険そうな)誰かが出てくるというのも同じ。
 昨夜に紹介された事件が 2015年、きさらぎ駅が 2004年、そしてドリキャス版『インタールード』が 2003年発売。
 元ネタにしたとか? まさかね。