(旧暦 文月十二日、草市)

 具体的なラスボスが出るわけでもなく。
 或人と滅、二人の殴り合いで決着まで持っていきましたか。
 けっきょく、OPにあった五人ライダー揃い踏みは本編最終話の後のシーンとなるワケか。騙された(笑)。

 ゼアとなったイズが構築したゼロツードライバが、今度はゼロワンドライバを再構築。そして、ゼロツーでなく、最後はゼロワンで決める。
 ゼアの中で其雄がエールとともにゼロワンドライバを或人に渡すのは、ゼロワン&ジオウの映画を観ていないと、イマイチ伝わりにくいでしょうね。そもそも其雄のその件は本編できちんと描くべきものでした。

 刃さんの葛藤、千パー野郎の人となりからの改心、そしてザイア本社の動きと立ち位置も、もっと話数を費やすべき案件。
 すべて「お仕事五番勝負」が悪い。あんなの、そもそもやらずに通常のストーリ展開の中で、ヒューマギアと人間が競う形にするだけでよかったと思う。あるいは、お仕事勝負を「三番」くらいで済ますとか、話をもっとテンポよく走らせれば、尺の無駄遣いに繋がらずにすんだものを。五番勝負でしかも一番につき二話だったもんなー。実質、1クールをお仕事勝負に費やした酷い構成。
 そこ以外は問題なかっただけに残念でしたね。

 感情というものを理解し受け入れた滅は、それでも「滅亡迅雷.net」にこだわる石頭さん♪
 ただし、その目的は聖戦ではなく、街の自警団。この「自警」って、初代から連綿と続く「仮面ライダー」のそもそもの基本コンセプトですね。滅亡迅雷は最終話に至り、ようやく「仮面ライダー」になった。
 滅を「父さん」と呼ぶ迅も、呼ばれた滅も嬉しそうだ。
 雷……いや、アニキは新衛星の打ち上げ作業に大忙し。
 亡は、エイムズに就職。
 でも、一丁事あるときには皆、滅亡地雷.net として自警するんでしょうね。

 で、ほぼ最初っから自警してた不和さんは……何という馬鹿力。
 変身してないのに事故車のドアを引きはがしバルカンを名乗り、絶賛自警中。えと、喰い扶持とか、どうすんの?
 あー或人が、飛電との契約ライダーって形にしてやってるかもしれんな。
 でもなー、仮にそうだとしても、不破さんだろ? フリーになっても確定申告とか絶対にしない、領収書とか取っとかないタイプだぞ(笑)。これは不和さん専用の秘書ヒューマギアが必要だな(爆)。

 サウザー課の構成員は課長以外、全員さうざーだった(大笑)。
 何をする課なんですか?

 で、性悪アズが次に目をつけたのが新たなアークライダーで映画のラスボス。
 本来なら夏にやるはずのゼロワン単独映画を冬に持ってくるわけですね。たぶん、聖刃との重要な絡みは、ないな。
 おのれディケイド!

 アークは、すっかり概念になっちまったな。これはもう完全に消すことなど不可能ですな。
 海底の衛星に引きこもってりゃよかったものを……。

 予想どおりと言うのかな。
 イズのハードを復元。シェスタが「見事に復元できましたね」と言うのだから完璧なはず。
 でも、ここ勘違いしてはダメなのですが、イズが復活したわけではない。或人に「はじめまして」と挨拶したのはデータが消えたわけでも初期化されたわけでもなく、初めての起動だから。すべての意味で「二代目イズ」なんですよね。専務の「別人のようです」という言葉が真を突いている。
 ヒューマギアとて死んだ者は生き返らないんです。副社長の「何か切ないな」が本当に切ない。

 ……あれ?
 イズや、その兄のワズはともかく。
 データから復元できるヒューマギアは、本当の意味で死なないから、シンギュラっても“人”にはなれないのかな。
 うーん。「データを消去すれば死ねるよん♪」と言ったのは、とある公安で稼働する多脚ロボットでしたが。うーん。
 人工知能の“生命”というのは深いテーマですね。

 二代目イズが初代よろしく「それは駄洒落という伝統的な言葉遊びで」と解説を入れるところに「そうだよ」と被せる或人の顔がね。
 泣きそうなのを堪えて笑ってるんですよね。
 ひょっとして、全編でも最高のシーンじゃね? 中の人の演技も最高だよ。

 ネットが「腹筋崩壊太郎ロス」で賑わってから早、一年ですか。
 コロナ禍に翻弄された中を、スタッフの皆々様、お疲れ様でした。