そりゃ行きたいですよ、某県庁所在地。
通販サイトを巡回するより、現物の並んだ店舗を巡るほうが楽しいに決まってます。
でも、行けない。万が一にもウイルスを持ち帰るわけにはいかない。ならば田舎に引っ込んだままでいるほうが安全度は高い。わざわざ人混みの中に出かけることなどないのです。
そんなお盆ですから、どこにも行けませんわな。
やったことと言えば。
『天狗にさらわれた少年 抄訳仙境異聞』
平田篤胤 著、今井秀和 訳・解説/角川ソフィア文庫
『図説 日本未確認生物事典』
笹間良彦/角川ソフィア文庫
『百物語の怪談史』
東雅夫/角川ソフィア文庫
『知っておきたい日本のしきたり』
武光誠/角川ソフィア文庫
『モッキンポット師の後始末』
井上ひさし/講談社文庫
『犬神家の一族』
横溝正史/角川文庫
『NHKにようこそ!』
滝本竜彦/角川文庫
『時をかける少女 新装版』
筒井康隆/角川文庫
積ん読本の消化。
いやー、放置してましたよ。中には十年選手も。(;^_^A
身も動かさず、ただ黙々と文を目で追う。少しだけ某ヒューマノイド・インターフェイスになった気分ですね。
ああ、インターフェイスで思い出しましたが、TV愛知が放送していることもあって、『ハルヒ』も読み返してましたよ。
とにかく一気読みしてました。
感想も一気に、ひとまとめにやっちまいます。無謀ですが、そうします。
なお、角川が多いのは、当時の事情です。
ほら、毎年夏に「発見 角川文庫」とか、やってたでしょ。ブックカバーが貰えるヤツ。今は「カドフェス」でしたか。あれに応募するために、まとめ買いしてた中の一部が入ってます。
あれ毎年応募してたんですが(いちおう「ちょっくらぶ」の会員ですわ)、いつの年だったかな、それまでの送付が店頭手渡しになったんですよね。で、そのときの目玉が確か「加賀さん」だった。店頭が面倒な状況になるのは目に見えてましたので、一気に萎えたのを憶えてますよ。それっきり応募しなくなった。
ソフィアの四冊は、妖之佑の趣味ど真ん中。
『仙境異聞』は例のコンタクティー・天狗小僧寅吉の体験談。興味深かったのは、寅吉が伝えた天狗の風砲(空気銃)について、かの国友藤兵衛一貫斎がこれを参考にして有名な早撃気砲(連発空気銃)を完成させた、とされている点ですね。本当なのかどうか、面白い話です。
訳者さんは懐疑的で客観的な姿勢ですが、コンタクティーの中には本物もあるのだと思います。まあ、大半は偽物というか騙りですけどね。
『未確認生物事典』はズバリ、妖怪図鑑です。言ってはアレですが、水木しげるさんの解説本より、ずっとお役立ちです。
『百物語』は本当に百物語をテーマにした解説本。百物語だけを取り上げているという潔さ。すばらっ、でございます。
『日本のしきたり』は、ザックリしたマナー本と思って差し支えありません。いささか上から目線な文章ではありますが、勉強になるのは事実です。
『モッキンポット師』は実は長年、探していたものなのです。かなり古い記憶に、石坂浩二さん主演のユニークなドラマがあって、その原作があると知って探していました。検索ワードに思い至るまで時間かかりましたよ。(;^_^A
時代でしょうね。この物語の頃は皆が空腹だった飢えていた。腹を満たすのが何よりの目的だった。だから勉学そっちのけで、いろいろな商売を編み出しては荒稼ぎし最後には周囲に迷惑かけまくる学生三人組。
ですが思えば、就職誌で有名かつ収賄事件を起こしたあの会社にせよ、DVDレンタルのルーツであるレンタルレコードにせよ、起業者は学生でした。昭和の時代、起業のハードルは高かったはずですが、当時の学生のパワーも強かったのでしょう。
対して『NHK』は今風の学生事情? いえ元学生ですか。
これ、もう二十年近く前の作品なんですね。びっくりです。確か、コミカライズもされてたよなー。
まだ「ニート」なる専門用語のなかった頃なので、一括りに「引きこもり」とされている主人公。実家の事情で仕送りを絶たれて、それでもなお引きこもる。
昭和であれば↑のように怪しい商売で稼ぐところですが、平成の学生……いや元学生は純真なのでしょうか。他人を喰い物にする発想まではいかない。
まあ、だから純真な展開になるのかもですね。
にしても、これ、実在の組織名や商品名がバンバン出てきますが、いいのかな? 当時はまだ緩かったのかな。今だと修正入るよなーたぶん(笑)。
『犬神家』は語るまでもないですね。これも石坂浩二さん主演で映像化されてます。
「読んでから見るか、見てから読むか」という角川の挑発文句。妖之佑は「観てからだいぶ経ってようやく読んだ」派ですがね。
映画化に際して、けっこう変更箇所があったんですね。これは面白い発見でした。
『時かけ』はなー。
実は映画もアニメも観ていません。周囲が騒ぐに反比例して醒めてしまう妖之佑のひねた性格ゆえ、これからも観ないと思います。
本は、↑で申しましたとおり、応募のための数合わせです。はひ。
買ったからには読まねば勿体ない。とは言え何年もかかって、ようやくです。
古いですね台詞の言い回し。もはや時代小説に片足突っ込んでませんか? 「新装版」と銘打つなら、カバー絵だけでなく、台詞の文体も変えたら良かったのに、と生意気ながら思ったのでした。
当時のタイム・リープ物としては斬新だったかもしれません。今だと、あと二、三回の捻りは求められそうですが。
うーん、でもどうかなー。小松左京さんは、ちゃんとやってたし。手塚、石森ご両名も、かなり凝った構成なさいますし。
いやまあ、学研に載せたジュブナイルですから、そこまで言ったら失礼ですね。ジュブナイルだと、あの光瀬龍さんも、けっこうシンプルな構成にしてましたし。
そうか。これはこれで正解なんだ。