ジョージ秋山さんが旅立たれましたか。
また昭和の巨星が……。
あちこちのコメントで『パットマンX』『デロリンマン』『ざんこくベビー』『ザ・ムーン』『花のよたろう』『銭ゲバ』『アシュラ』『浮浪雲』……等々、名作の数々が挙がってますが。
ひねくれ者である妖之佑は、あえて『戦えナム』を挙げましょう。
実にシンプルな勧善懲悪のロードムービー形式。物語のテーマは違うけど『闘将!! 拉麺男』に空気感が近いかな。
旅の僧侶・アレキサンダー南無(なんちゅー名前だ)が行く先々で悪人から人々を助けるお話。
と言えば聞こえは良いのですが。
ただねー。ぶっ飛んでるのがねー。
南無は悟りを求めて修行の旅をしているのですが、悪人を前にすると自分のことを「まだまだ修行が足りない、悟りには程遠い身」と、ある意味、開き直っては額に青筋立てて悪人を容赦なく撲殺するんですよねー♪ 説法とか説得とかしない。殴り殺す。
いや、悪人なんて助ける必要ないですけどね。でも、殺るのが坊さんでしょ?
シュールすぎて笑うわー。
例えば『パットマンX』を「ほのぼの」と表現する声もありますが。
あれも案外と闇を描いてたりするんですよ。つか、秋山さんの作品に闇要素を持たぬものなど、ないですね。むしろ闇必須。
闇についてだけは、主人公や善人キャラに厳しい手塚作品をも越えるんじゃないかな。
名作と言うか異色作? な『ザ・ムーン』とか、ついこの間まで文庫本が出てたように思ったのですが、気づけば絶版状態ですね。
もっと積極的に刊行してほしいんですけどね。何でもかんでも復刊ドットコムさん頼みじゃダメですよ出版業界。
ご冥福を。